「あー! もう! 休日だってのに出勤とかありえない!」
「ミコトさん知ってます? 昨日は大獲物だったんですよ。…その左腕どうしたんですか」
「昨日ちょっとガラスで切った」
「ちょっと切っただけではそんなに包帯使いませんって」
「それより大獲物? つまんなかったら秒で帰るからね」
「絶対に面白いって! なにせC級ヒーローが厄介な暗殺者を仕留めたらしいんですよ」
「…………ほう?」
「今は牢屋に。手錠は外すわ、同房の連中を叩きのめすわで。とんだ問題児ですよ」
「行ってきまーす」
「気をつけてくださいねー」
「やあやあこんにちは厄介な暗殺者君……って、君、昨日大暴れしてた人じゃないか」
「なんだ貴様は」
「署長の娘です。もっというと君のせいでこんな怪我した通行人Aでもあります3針縫いました。めっちゃ痛いです」
「ふん、貴様のような責任者の牢に入れられるとはなめられたものだな」
「わたしは君をなめているつもりはないんだけどなぁ。ああ、そうだ、君は1週間後、来週の日曜日に監獄に護送されます。その時にヒーロー協会が作った特殊拘束具を使うことになるから…無理に抜けたりしないでね」
「………」
「わたしの面子を立てて、脱獄なんてしないでくれると嬉しいな」
「知ったことか」
「あれ? 君、手錠は?」
「外した」
「あらら。看守の目の前で牢屋の扉開けるってどういうことなの。誰かー! 脱獄されるー!」
あなたと出会った日曜日