ついったログ | ナノ
リエーフは背が高いから、手を伸ばせば届かないものなんてほとんどありません。でもほしくて、その手に掴み取りたいのにどうしたって届かないものがありました。さぁて、それはなんでしょう。


子供の頃にいつも遊んでいた女の子がいた。繋いだ手は小さくて温かかった。泣き虫でいつも俺のあとについてきて、俺の背に隠れるような、子供ながらにこの子は俺が守らなくちゃって思ってた。ヒーロー気取ってピンチに駆け付けて。守ってあげたかった。…守れなかった。情けないなぁそばにいたのに


遊ぼうと誘ったのは俺でした。公園で遊びました。帰り道、ヒーローを気取った俺は車道側を歩き彼女の手を引いて歩いていました。突然、後ろから車が突っ込んで来たんです。隣を歩く俺には掠りもせず彼女目掛けて。握っていたはずの手はいつの間にか空を掴んでいました。車体の下に小さな手が見えました


母が言っていた。人は死ぬと星になってお空から見守ってくれるんだとか。そんなこと。触れられもしないし、声も聞けない。見守らなくていいから、隣に、いてよ。俺、背高いのに、どんなに手を伸ばしても星までは届かないから悲しい。それ以前に東京の夜は明るすぎて星なんか見えやしない。
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