ついったログ | ナノ
菅原さんはもっと人間味があっていいと思う。後輩に正セッターの座を取られて悔しくないわけがない。大天使スガエル? 何それ。俺がそんな大それたものだとでも思ってんの? 馬鹿馬鹿しい。にこにこ笑ってるのも、優しい先輩でいるのも疲れるんだよ。嘘で塗り固めた仮面で本心とは真逆の言葉を吐きます。


でもそんなことばかりしてたら疲れるよね辛いよね自分が分からなくなるよね。いいんだよ。無理しないで。愚痴なら聞くよ。励ますよ。慰めるよ。全部、受け止めるよ。そう言ってくれたのが嬉しくて、だから、彼女に余計な心配をかけたくなくて、吐き出す場所を自分で無くしてしまう菅原さんは本当に哀れ


吐き出さないと、溢れてしまうんです。彼はそれが人より少し深いだけ。無限じゃないから、限界はある。ついにどろどろ溢れ出すんだけど、受け止めてくれる人は自分で遠ざけてしまったからやり場のない怒り悲しみ焦り空虚、嫉妬も全部その矛先は自分に向くんです。こんな醜い感情があるなんて気持ち悪い


それは普通だよ。誰だって後輩にスタメン取られたら悔しいよ。大丈夫だよ、わたし、菅原君がいつも頑張って、たくさん練習して、後輩にも声かけたりしてるの知ってるよ。だから好きになった。だから、好きな人が自分を傷付ける姿を見るのは辛くて気分の良いものじゃないから。だから、受け止めるよって


受け止める? どうせお前も俺のこと三年生なのに可哀想って思ってるんだろ?鬱陶しいって、面倒くさいって思ってるんだろ? だからそんなとこ言わなくていいよ。
お前が好きなのは俺じゃなくて、自傷癖のある菅原孝支を慰める自分なんだろ? 知ってる。

「この偽善者め」


すっかり人間不信な菅原さんは彼女の言葉すら信用できなくなっていました。振るったカッターは彼女の腕を掠めて、でも痛くない、平気だよって泣きそうに笑うから。じゃあお前が変わりに傷付いてよ。慰めてくれるんでしょ? 励ましてくれるんでしょ? 受け止めてくれるんでしょ? 痛く、ないんでしょう?

こうして彼の自傷癖が直ったのはいいけれど、傷付けて、傷付けられて二人とも壊れちゃったから舐め合うこともできないの。あなたの優しさはナイフみたいに突き刺さって、甘い言葉はただの猛毒。だから二人とも痛くて、二人とも苦しみ抜いて、二人とも救われない、誰も幸せになれない話


頑張ったつもりで、つもりだったけど、でも駄目だったから、努力が足りなかったから、実らなかったから、結局意味なかったんだなぁって。そう思ってしまったら、止まらなくて、抑えられなくて。優しいあの子を潰して抉って壊してしまった。だからおれってさいていだなぁって。ほんとう、しねばいいのに
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