ごめん、みんな
俺が特訓に誘ったばかりに…



雷門イレブンキャプテンであり、今回数人の仲間を雪山で遭難させてしまった円堂守は反省していた

が、

「まあ風丸と豪炎寺なら死なねーよな!」

「お前には罪悪感というものがないのか」


ポジティブに考えていると、横からツッコミを入れられる。

猛吹雪の中マントをたなびかせながら、円堂と共に鬼道有人はひたすら歩いていた。



「いや…悪かったとは思ってる
けど結局着いて来たのはお前らだろ!」

「開き直ったな…
誰だって『来ない奴は爆裂パンチの刑だかんな!』と脅されたら着いて行くしかないだろう」

「あれ、そんなこと言ったか?」


鬼道に言われてそんなことを言った気が…しなくもなくなってきた。



けどやっぱ北海道は寒いなー。
この猛吹雪の中、ジャージ一枚はキツい。
今だって雪に足をとられて転びそうだ。



「鬼道ー寒くて死にそう」

「俺だって同じだ!
大体お前が俺達を無理矢理連れ出さなければ…!」


人間って危機的状況が迫ると冷静じゃなくなるのな。
鬼道の口調がいつもより厳しい気がする。


「まあまあ落ち着けって!
丁度いいタイミングで助けが…」

「ばーか、来るわけねぇだろ」

「だよなーー…」


ん?なんか今の"ばーか"って声、鬼道らしくなかったな



……あれ?
今の声って……


鬼道を見るとあいつも今の声に驚いている。
じゃあ今のは…


「俺だ!」


その言葉と共に猛吹雪の中現れたのは、ピンク色の逆立った髪をした男。

けど着ている服が和服っぽいし、生地もすごく薄そう。



「お前は…?」

鬼道がそいつに尋ねると、


「吹雪アツヤ
ったく…助けてやる命の恩人の名前だ、よく覚えとけ!」


と、明らかに上から目線で言ってきた。
助けてやるって…一体どうやって

「熊オヤジィィイッ!!」



いきなり叫ぶから少しビビった。
そして数秒後にはドドドドという、何かが近づいて来る音。

嫌な予感がする。



「き、鬼道…何かヤバくね?」

「ああ…アツヤの大声で雪崩が起きたのかもしれない」



鬼道の言葉に固まった。
俺…まだサッカーしたかったよ。


強い風と共に近づいてくる何かに、思わず目を瞑った。