朝いつも通り部室に入ると、久遠監督誰かが話していた。


「来たか神童、いつも早いな」

「おはようございます監督
…そちらは?」


久遠監督に隠れるように俺をじっと見つめる少年の姿に、どこか見覚えがある気がした。


白っぽいハネた髪
小柄な体
10年前、サッカー日本代表として選手が着ていた青のユニフォーム

見覚えがあるなどという話じゃない、この人は…


「…吹雪士郎…!?」


思わず声に出すと、その人は途端に明るい表情になり、


「正解!10年後も僕の名前って覚えてもらってるんだね、嬉しいな」


と言って、笑顔で俺へ手を差し出す。
これは握手、ととっていいのだろうか。


憧れの人と握手…
まさか10年前のイナズマジャパンの1人と会う事ができるなんて…


「…っじゃなくて!何で吹雪士郎さんが俺と同じ年代にいるんですか!?
あなたは10歳上の大先輩な筈ですよね?」

そうですよね監督!と付け足し、2人を交互に見やる。


やがて久遠が口を開いた。

「何故かは俺も知らないが、吹雪は10年前の…FFI優勝後の過去からやって来たらしい」

「僕もよく覚えてないんだけど、イナズマジャパンのみんなで最後に写真を撮った後から記憶なくて…
気がついたらこの部室のソファで寝てたみたい」

「とにかく原因が解るまでは行く場所も無いから、俺の家の部屋を貸そうと話していた所だ」


…流石は超次元、と言ったところか。
神童は頭を抱えながら話を聞いていた。


「けどびっくりしたよ、ここの部室すっごく広いし、久遠監督は髭が増えたし」


老けたとでも言いたいのか、と言われると、より一層ダンディーに見えます!と無邪気に答える。

この人…天然で無自覚なのか?


そんな事を考えていると、彼はくるりとこちらを向いた。

「それに…キミが同じ背番号のキャプテンだって知ったし」


ね、と向けられる眩しい笑顔に目を逸らした。
そうか…俺と同じ9番…


俺はコホンとわざとらしく咳をし、

「俺は雷門サッカー部キャプテン、神童拓人です
いつまでかわからないですが、よろしくお願いします」


と自己紹介した。


「ふふっ、同じ9番でも貫禄が違うなぁ」

この先どうしようかな、とマイペースに考えながら吹雪は楽しげに笑うのだった。






「わ、神童君!すごい目した人がいたよ!」

「あの人は南沢先輩ですよ」

「髪型といい顔のパーツといい、10年後は更に進化した気がするな…」

「まあ仲間にピンク髪の見た目は女子っぽく見えるやつもいますから」

「…10年経つってすごいな…」







―――――――

捏造もここまで来ると甚だしいですかね
拓人って年上には敬語…?
曖昧/(^^)\

新旧の背番号9な子たちとか俺得^p^2人共愛しいよ…!