銀時的彼女の愛し方




 今日は3月14日。
 世間ではホワイトデー。
 ホワイトデーと言えばバレンタインデーにチョコを貰った男が女にお返しをする日。
 ここにバレンタインデーになんとか無事にカップルになった二人がおりました。
 そしてこの日の為に前々からシコシコ計画して、女を喜ばせてやろうと密かに企んでいる男がおりました。
 男の名は坂田銀時。
 つまり俺。

「なー?」
「ん?なに?万年金欠代理店男、略してマダオさん。」
「ええっ!?彼氏に対してなにその態度!?つか万年金欠代理店てなんだよ。なんで俺が見ず知らずのやつの金欠を代理しなきゃなんねーんだよっ!」
「もとから金欠なんだから人の金欠を代理したって変わらないじゃん。」
「ひでェなおい。俺のガラス細工のような繊細なハートが音を立てて崩れていってんだけどォ!」
「そりゃ良かった。なんなら粉々に砕けるまで手伝おうか?」
「手伝わんでいい。むしろ黙ってついてこい!」
「どこに?」
「映画行くか、今から。」
「なに…急に。雪でも降りそうなんだけど。」
「うるせー。お前、前からペドロ観たいっつって騒いでただろ?連れてってやらァ。」
「ペドロ!?観たいっ!」
「じゃー決まりだな。行くぞー。」

 バレンタインデーはユキがあれなりに頑張ってくれたから、ホワイトデーには何かしてやりたいと思っていた俺は以前からユキが観たがっていた映画に連れて行こうと少し前から計画していた。
 観る映画は「となりのペドロ」。
 チケットはこの前飲みに行った時、長谷川さんから譲って貰っている。
 あとはユキを映画館へと連れ出し映画を観れば俺のホワイトデーシコシコ計画は完璧。
 の、はずだった──。


銀時的彼女の愛し方


『ン…ッ、はあっ…ああっ!!』

 今現在目の前のスクリーンいっぱいに映されているのは、女が男におっぱいをむしゃぶられているシーン。
 おっぱい星人の土方君が早紀のおっぱいに吸い付いている最中、って言えば想像しやすいか?
 お前ら読んだんだろ?
 先月の拍手御礼文の媚薬副長。
 簡単に言やァあんな感じだ。
 つーかこれペドロじゃないんですけどォォォ!!???
 「となりのおっぱいペロペロ」!!???
 長谷川さんんんんん!!!
 なんちゅーもん渡してくれてんだァァァァ!!!
 これアダルト映画じゃねーかァァァァ!!!
 いや俺は嬉しいよ?
 嬉しいけどこれカップルで観ていいの?
 いや俺はユキとこうゆうのも観てェけど…!
 つか絶対怒ってるよね?ユキちゃん…!!
 ペドロじゃねーうえにこんなアダルト映画なんざ…もし仮に俺がユキの立場なら殴り掛かってるわ…。
 俺は気まずい雰囲気の中、隣に座るユキの様子を伺おうとゆっくりと視線を移す。
 そこには怒っているユキの姿はなく顔を真っ赤にして固まっているユキがいた。
 そんなユキに俺は不本意にも欲情してしまった。
 つか可愛すぎんだろーが…っ!

「ンぅ…っ!?ぎ…ん、ちゃ…!」
「黙ってないとバレちまうぞ…?」

 抵抗するユキの顎を掴み、少し口を開けさせると容赦なく啌内に舌を侵入させユキの舌に吸い付いた。
 そして意地悪くユキの耳たぶを舐めながらそう告げる。

「で…っ、でもここ…映画館…っ!」
「暗ェし、みんなスクリーンに夢中で気付かねェよ。」

 しかしふと周りを見渡せば、他のカップル達もし始めていることに気が付いた俺。
 なんだなんだ?
 みんなおっ始めてやらー。
 こんなとこでヤるのはユキが嫌がるのは目に見えている。
 だがもう俺の息子さんはヤる気満々でよ。
 すまねェな、ユキ…。
 俺はユキの耳元でこう囁いた。

「ユキ、やっぱ前言撤回。」
「な、に…?」
「あいつらに見せつけてやろーな?」


 どうしてこうなったの…?
 銀ちゃんが映画に連れてってやるって言うから来たのに…。
 なのにあたしは今、さっき観たシーンと同じように銀ちゃんに胸を吸われている。

「ふうっ…ンン…っ!」
「声我慢すんじゃねェ。」

 映画館の椅子に胸を丸出しにされて座っているあたしの足の間に入り込み、膝立ちしてチュパチュパと乳首を口に含み吸い上げていた銀ちゃんが、口から乳首を離すと手の甲を口に押さえ声を我慢しているあたしにそう言った。
 ぷっくりと腫れ上がった乳首には銀ちゃんのよだれでテラテラと妖しく光っている。
 こんな場所でイヤなのに前のスクリーンでは既に男が女の秘部を舐めまわしているところで…。
 視覚でも聴覚でもあたしの身体はいやでも反応してしまう。

「やっ、だっ…ああっ!」

 素早くあたしのパンツに手をかけると横に少し布をずらし、いきなり秘部に銀ちゃんの指が入れられた。
 難なく銀ちゃんの指を受け入れたあたしのナカからは、溢れる程の液で潤っていた。
 もっと抵抗したいのにあたしの身体は銀ちゃんに触れられるだけで力が入らない。
 銀ちゃんと付き合ってからこの数週間でそうゆう身体にされたのだ。

「いやだ?ユキのココ、俺の指うまそーにくわえてんぞ?」

 銀ちゃんはそう言いながらゆっくりと指を動かし始めた。
 が、すぐに抜いてしまった。
 あたしの願いが通じたのかと思いホッとしたのも束の間、あたしの脚を片方ずつ持ち上げ肘置きに足を掛ける。
 座ったままM字に開かれたあたしの脚。
 すぐに閉じようとしたがそれを銀ちゃんの力によって難なく阻止されてしまう。
 そしてまたすぐにあたしねナカに侵入してくる銀ちゃんの大きな指…。

「やあぁっ、あっ…やめっ、あンっ!」
「ユキの声で野郎共がこっち見てんぞー。」
「や…だあっ!銀ちゃ、ああっ!」
「すげー締め付け…。見られて興奮してんの?」

 やらしーヤツ、と銀ちゃんの言葉と共に激しくなる指の動きにあたしは何も考えられなくなる。
 すると銀ちゃんはスッとしゃがみ込むと指を動かしたまま下の突起に舌を這わせてきた。

「ひゃあああっ…!」

 舌で何度も突起を弾いたあと、口に含み吸い上げる。
 激しい指の動きとクリクリと舌で刺激をされたあたしは、銀ちゃんの髪の毛を掴み声を抑えるのも忘れて呆気なく達した。

「よーし、こっからが本番だな。」

 ぐったりしたあたしに軽やかに残酷なことを話す銀ちゃんは椅子に座り、その上にあたしを跨がさせる。

「あの女より鳴かせてやる。」
「え?…あ、やあああ…っ!」

 あたしが返事をする前に、銀ちゃんはあたしの腰をグッと降ろしナカに入ってきた。
 あたしのナカを割り開きながらゆっくりと埋め込まれていく感覚にあたしは銀ちゃんの首筋に抱き着く。
 銀ちゃんは深く深く埋め込むとすぐに下から突き上げてきた。

「ふああっ…、やっ、おっき…!」
「ッ、ユキの中めちゃくちゃ熱い…っ。」

 銀さん余裕ないわ、と少し息を乱して言う銀ちゃん。
 しかもあたしの目線の先、つまり後ろの方の席では男に後ろから突かれて喘いでいる女がこっちを見ていた。
 見られているという状況にあたしの思考は麻痺したかのように身体が痺れ、それが快感に変わっていくのが分かる。
 スクリーンから聴こえてくる喘ぎ声とは別の喘ぎ声があちらこちらで聴こえてきていた。
 あたしのナカの肉棒がギリギリまで抜かれたかと思えばすぐ最奥まで突き上げてくる。
 銀ちゃんは最初からガンガンあたしを攻め立てながら、目の前にある乳首まで吸い始めた。

「ンああっ、イッちゃ…っ!」
「まだ、早ェ…ユキ。自分で腰動かしてみ?」

 腰の動きをピタリと止めて胸元からニヤリと笑いながらあたしを見上げて言う銀ちゃんに、急に快感がなくなり身体が疼いていたあたしは素直に従い腰を上下に揺さぶる。

「やっべ…ユキめっさエロい。」
「はあっあっ、銀ちゃ…んっ!気持ちいー…?」
「…ッ!あーもーなんでこの状況でんな可愛いこと言うかなー…っ。我慢出来なくなるでしょーがっ!」
「ああっ!や、ンはあっ、激し…っ!」

 あたしに動けと言っておきながら、銀ちゃんはあたしの腰をグッと押さえ付けながら再び下から容赦なく打ち付けてくる。

「ぎ…んっ、ちゃ…!待って、ひゃあぅンっ!」
「待て、ねェ…!」
「やあっ、イくからっ…あっ、ああああ…っ!」

 顎を反らし足の指先までピンッと伸ばしビクビクと痙攣させながらあたしは絶頂を迎える。

「くッ…!」

 あたしの締め付けに耐えれなかったのか銀ちゃんの精液がドクドクと流れ込んでくるのがわかった。



 事情後、俺にまだ股がって顔を俺の肩に乗せたままハア…ハア…、と肩で息をするユキ。
 スクリーンの中もフィニッシュを迎えたようで見るからに甘い口付けを交わしている。
 そんなシーンに俺もユキにキスしたくなり名前を呼ぶ。

「ユキ…。」
「………………。」

 返事がない、ただの屍のようだ。と、俺がボソッと言うとユキがベシベシ頭を叩いてきた。

「いでででっ!なにしやがんだっ!」
「シーッ!!静かにっ!!銀ちゃん…あのカップル……。」

 口に人差し指をあてていたユキが、今度は後ろの席を指差した。
 俺は促されるまま後ろを振り返る。

「あれ…って、土方さんと早紀ちゃんじゃない?」

 コソッと耳打ちしてくるユキの言葉に俺は顔を歪ませた。
 俺達の席からだいぶ離れた後ろの席にいる男と女。
 どう見てもありゃ土方君と早紀だ。
 だって見たことあるもん、あの二人。
 しかも早紀のおっぱい吸ってんもん、土方君が。
 あーあ、あんな気持ちよさそうな顔してよ、早紀も。
 あれっ?土方君腰動いてる?
 パンパンしながらチューチューかよ。
 どんだけおっぱい好きなんだよ。
 って俺もさっきしてたわ。
 つーかなんでアイツらもいんだよ?
 総一郎君か?
 あのサド王子に上手いこと仕組まれてそうだな…。
 とにかく関わらねェのが一番だ。

「…ほっとけ。楽しんで奴らの邪魔しちゃいけねーよ。」
「ンっ、ちょっ…銀ちゃあっ!」
「ん?どーした?アイツらの見て興奮したか?声が上擦ってんぞー。」
「ちがっ、ああっ、ぎ…ちゃんがっ…ひゃあっ!」
「俺?俺はムラムラしたから今ユキを後ろから犯してるだけだ。ただそれだけだ。」
「ばっ、かァっ…やめ、あンンっ!」
「ユキ…あのおっぱい星人達に俺達を見せつけてやろー、ぜっ。」

 ユキの制止の声を無視し、何度も何度もユキのナカを貫いた俺。
 こんなホワイトデーになっちまったけど、ユキ…これからもよろしくな?
 俺のシコシコ計画、ある意味シコシコして成功っつーわけで!
 あ、うまくないって?
 けどまァこれが俺の彼女の愛し方ってわけよ。
 伝わってねーだろーがな。




「ねぇ…副長、あれ…銀さん達じゃない…?」
「あァ?……なんでアイツらがこんなところにいやがんだ。」
「ユキちゃん、めっちゃ突かれてる…し、疲れてる?」
「なんだ?早紀、オメーもああされてーのか?さっき散々後ろから突いてやっただろ?」
「違…っ、あたしはもうい…!」
「ま、あんなに見せつけられちゃーこっちも黙ってらんねーな。早紀、俺の上に乗れ。」
「えっ、ちょっと…副ちょ、ンあっ…ああっ!」

 それから銀時と土方はお互いに見せつけ合い、上映が終了し他の客に見られていてもこっちは終わらなかったとか。
 その後、お互いの彼女にこっぴどく叱られるのは言うまでもない。






end .










20210406 修正



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