勝己の誕生日






(♀夢/英雄学/爆豪勝己/notヒーロー志望/雄英編入後/四月二十日)






今朝方、◎からラインが来た。

『誕生日おめでとう』
『プレゼント渡すから夜の七時に出てきて』

簡潔なメッセージだった。余計な絵文字やスタンプはない。機械的だが用件のみのそれは読みやすく、伝達用途として見るなら理にかなっている。担任の言葉を借りれば、合理的だった。

淡白な画面を見ると、◎が意外と裏表の激しい性格であることを思い知る。


高校入学したての頃、◎はクラスメイトとのライン画面を勝己に見せたことがある。面白いことを言われたと、しばらく遡ったところから読まされたが、応答は絵文字やらスタンプが多用されていた。文字がなく、絵文字やスタンプだけで会話しているところすらあった。果たして会話なのかも疑わしい。喋れや、という思考が画面からの情報吸収を拒否するほどに賑やかな画面だった。


曰く、「勝己とは交流目的じゃないから」らしい。あくまで伝達用途として使用していると◎は言う。





「あ」


「勝己、はい。お誕生日おめでとう」

「ん」

「これからもよろしくお願いします。ヒーローのお勉強頑張ってください」

「んだそれ」

「節目だから?」

「はっ。キメェ」

「ふふ」





「お」






「あれ爆豪、お前財布変えた?」



「だって好きなものと使いたいものは違うじゃない」






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