記憶をなくしたnotヒーロー志望






(♀夢/英雄学/爆豪勝己/notヒーロー志望/記憶喪失)



全部忘れてる。人のことも本が好きなことも。

記憶を戻す方法はあるが母親が拒否する。


「今だったら家族としてやりなおせるんじゃないかって。私、◎に母親だって思われてないのがずっと怖かった。私はいない方がいいかもしれないってずっと思ってた。今なら◎、今まで誰と毎日顔を合わせてたかわからないもん」

「ッザけんな!ンなもん放任し腐ってたてめェの自業自得だろうが!!」

「勝己は前の◎の方がいいよね。ごめんね。でも私は今の◎がいい」

「ずっといなかったてめェの一存で決めてんじゃねえ!これまで同じ飯食ってたのは俺らだぞ!わかってんのかクソが!!」

「わかってるよ。ごめん」




「◎の親はアンタじゃないんだよ。勝己」






「お母さん…?」

「…すごい怒鳴り声、聞こえたけど…」



「てめェはこのまんまでいいって思ってんのかよ。誰が誰かもわかんねェ状態で、人生やり直しだとよ」

「比較できないから、どっちがいいかなんてわからないわ」



「あなた誰?」



「、」喪失感

「。どうし」

「てめェで思い出せやカス!!!」

泣く




(傷付けたのかしら)

(忘れられるって、どういう気持ちかしら)

(あんな表情を、これからずっと見ていくようになるのかしら)

(私が全部忘れて、安堵したのはお母さんだけだった)




「お母さんは、前の私のことどう思ってた?」

「…どう」

「私が記憶をなくして、嬉しかった?」

「…」

「お母さんは、私のことが嫌いだったの?」

「―――」






「あ」

「、」

「あー、えっと」

「っだよ」

「あなたに聞きたいことがあって。あと名前教えて」

「………」

「別に教えたくないならいいけど。ちょっと話せればいいだけだから」

「………勝己」

「勝己。勝己くんね」

「キメェ呼び方すんな」

「そう?なんて呼べばいいの?」

「…勝己」

「勝己。ちょっと話せる?」

「学校だよ。見りゃわかんだろ」

「じゃあ帰ったら」






「勝己は前の私のこと好きだった?」

「っ、ああ!?んなもん聞いてどうすんだよ!」

「勝己が一番傷ついてるかなって思ったから」

「」



「毎日顔合わせてたやつに誰つっわれたら、気分悪ぃに決まってんだろ」

「私たち仲良かった?」

「…そう思ったから、いま俺に会いに来てんじゃねぇんか」


「少なくとも今のてめぇは胸糞悪ぃ。あっけなく全部忘れやがって」


「今のてめぇに話すことはこれ以上ねえ」



「勝己って、てめえってしか言わないのね。前からそう?」

「てめぇは◎じゃねえ」

「そう」



「記憶が戻ったら、仲良くしてくれる?」

「死ね」

「ひどい」






でも、今の私は殺すことにするわ。





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