障子と捕われ少女。






(♀夢/英雄学/障子目蔵/パラレル)



「こんばんはぁ」


「新しい見張りの人ですか?」


「障子くんはご飯を食べないのですか?」
「…何故そんなことを訊く」
「今まで来た人はみんなご飯を食べていたから。だいたい二時から五時です。みんなです」
「もう済ませた。ここで食べる必要はない。執務中だ」
「障子くんは真面目なんですねえ。今までここに来た人達はみんな暇を潰すみたいに私を見張っていましたよ。ゲームしたり本を読んだりご飯を食べたり。気がまぎれればなんでもいいみたいに」

「腹が減ったのか」
「そういうわけではないです。でもご飯を食べてる人は好きです。食べられてるときのご飯が一番美味しそうです」
「飯は食っただろう」
「いいえ?私は食べなくても死にませんから」


「でも時々、ハンバーグの味が思い出せなくて食べたくなります。障子くんはハンバーグ食べたことありますか?」
「…ああ」
「ハンバーグはどんな味ですか?」
「どんな…口で味を説明するのは難しいな」

翌日の見張りでハンバーグを持ってくる。
背中合わせでご飯を食べる。マスクを外さない障子。

「障子くん!これは美味しいものです!」
「そうか」





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