ちびちゃん。






(♂夢/忍卵)

食堂のおばちゃんの甥。
八歳。戦争孤児。
長次以上の無口。もやしっこ。外で遊ぶより本が好き。

小平太こわい。肩に担がれて連れ回されると目を回す。しかしたまには外に出たほうがいいと思われてるので誰も止めない。仕方ない。だって暴君だもん。

おばちゃんが仕事で手が離せないときは図書室で読書。だがそもそも手が掛からない。ご飯になったら長次が図書室まで迎えに行く。
お手手繋いで一緒に歩くと親子。そこでちびちゃんが見上げて一言。
「ちょうじ、すき」
ふふ、と頬っぺた染めて照れ笑い。これが猛烈に可愛い。

小平太も好きって言われたいのに言われない。なんか怖がられてる。一番遊んであげてるのに。

きり丸が寂しくないようによく構ってあげてる。ちっちゃいお兄ちゃん。
自然、図書委員と仲良くなる。能勢がちびちゃんの扱いがわからなくて苦手だったが、なんだ慣れると可愛いもんだなと一番可愛がる。

雷蔵と三郎の区別がつかない。じっと見つめて相手の出方を待つ。優しかったら雷蔵。意地悪だったら三郎。三郎にいじられていると五年生が助けてくれる。五年のちびちゃんに対する可愛がり方は異常。見つけたら絶対声かけてくれる。特に竹谷と三郎。竹谷はちびちゃんを動物と勘違いしているのかもしれない。でもそんな二人とは裏腹にちびちゃんは勘右衛門が好き。理由はうどんだから。うどん好き。好かれている理由がうどんだからとは勘右衛門は知らない。

強運。蛸壺や塹壕に絶対に落ちない。小さくて視点が低いから目印によく気付く。しゃがんで目印をじーっと見ているところに伊作が正面からやってきて「何してるの?」と踏み込みちびちゃんの代わりに落ちる。
絶対に助けを呼ぶよい子。伊作はちびちゃん大好き。

滝夜叉丸の自慢話もちゃんと聞く。「どうだ、私はすごいだろう!」と同意を求められると、ニコッと微笑んで「うん、たき、すごいね」と本心で褒める。滝夜叉丸は感激して「お前はよくわかっているな!偉いぞ!」とハグ。スキンシップ苦手だけど滝の抱擁は平気。滝夜叉丸はちびちゃんすごい気に入っている。会うと絶対に自慢話を聞かせる。ちびちゃんもそれを聞く。否定も拒否もしない。
時々三木ヱ門が居合わせる。
「バカ夜叉丸!アホな話を聞かせて○の耳を汚すな!」
「なっ、いま○に私の素晴らしい美談を語ってやっているのだ!邪魔をするなアホヱ門!」
「うるさい!○はあっちで私とユリコの砲撃を見るんだ!」
二人ともちびちゃん好き。
綾部が漁夫の利。
「ちび、一緒に蛸壺掘りに行くよ。狭いとこ好きだろう?」
「うん、すき」

「「喜八郎ぉおおッ!!」」

伝七をでんちゃんと呼ぶ。でんしちって言いにくい。左吉をさきちゃんと呼ぶ。タ行の発音が苦手のようだ。

でんちゃん、びじん。
と思っている。
さきちゃん、おでこ。
と思っている。

い組はちびちゃんにどう絡めばいいのかわからないけど、好き。
ろ組と仲良し。一緒に日陰ぼっことかする。


でもやっぱり一番好きなのは図書委員。




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