『これから貴女には私の部下になって働いてもらいます。言っておきますが、激務ゆえ等活地獄に落ちるのと精神的肉体的苦痛は大差ないものと思いなさい。』
彼は、自室に私を招き入れ
静かに、そして淡々と話した。
『地獄といえど刑期はあります。しかしあなたにはそれは適合しませんので これからの労働に期限はありません。つまり永遠に働いていただくことになります。もしそれが嫌なら先ほどの命に従い等活地獄に行っていただいても構いませんが。』
冷たい目をして私に選択を投げかけた。
『わ、私は、、』
その時には既に
純粋に、彼と離れたくないと思っていた。
こんな地獄に堕ち
もう縋り付く事の出来る存在は彼以外いなかった。
『鬼灯様の、お側においてください、、』
初めから選択肢など私には無かった。
その言葉を発したと同時に
身体中の血液が流れ落ちてしまったかのように、気が遠くなった。
緊張の糸がぷつりと切れたように
私はその場に倒れこんでしまった。
視界に靄がかかる。
あぁ。私は、このまま気を失うのだろうと、身体の悲鳴に抗えず目を閉じた。
でも何故だろう、暖かい。
遠ざかる意識の中
誰かに包まれているような心地よさを感じた。
変なの。
ここは地獄の筈なのに。
ずっとこのままでいたいと思える
そんな心地よさだった。