匿名さんへ
2012/04/29 23:59

リクエスト
□ディエ→ジョニ

「ジョニィ・ジョースター!また会ったなァ!!」

「……そのセリフ、今日5回目だけど」

はあ、と大きなため息をついてぼくは顔を顰めた。
目の前のディエゴ・ブランドーことDioはジャイロのいない隙を狙って頻繁に話しかけてくる。
(ジャイロは今夕飯を取りに行っていて近くにいない)
はっきり言って迷惑極まりない。

ぼくはアイツが嫌いだ。
自分でもわからないくらいにアイツを嫌悪している。
それを知ってか知らずかお構い無しにアイツはぼくに絡んでくる。

「やはり俺たちは運命の赤い糸で結ばれているのかもしれないな」

「何言ってんの、落馬でとうとう頭イっちゃった?」

「フフ…照れているのか?かわいいなァ…」

「君の言ってることが理解できない…っちょっと近寄らないでよ!!」

Dioはぼくの顎を持ち上げそのまま指先で唇をなぞった。

「…気持ちが悪い、さっさと離さないとこのままタスクぶち込むよ」

「フン、随分と口が悪い……ああでもその声は好きだ…それにお前に殺されるなら本望だ」

うっとりと優しい手つきでこめかみに触れている手を外すと、愛しそうにキスする。
ゾワリと身体中に鳥肌がたった。

「……っ君は頭がおかしい!!狂ってる!!!」

「何故だ?お前のことが好きなんだ、この世の何よりも愛してる」

そのサファイアブルーの瞳も、輝くブロンドも、桜色の唇も全部手に入れたいと思うことはおかしなことか?

そう問いかけてくるDioに何も返すことが出来なかった。
本気だった、全部。

「…なあ、ジャイロ・ツェペリなんてやめて俺にしろ」

マンハッタンだろうがなんだろうがくれてやる、俺のものになれジョニィ、そう言ってDioはぼくを抱きしめた。

「やめてくれ…それに…ジャイロはそんなんじゃない、何度も言っただろう」

迷惑なんだ、胸を押し返すとDioと目が合う、その瞬間ぐるりと世界が反転した。
手首を地面に押し付けられ首筋からゆっくりと舌が上がっていく。
ぺろ、と唇を舐めてから笑ってキスをした。
ぞわぞわとした気持ち悪さが込み上げてきて、気付けはぼくはDioの頬を叩いていた。

「……っ何するんだ!!!」

「…油断したお前が悪い」
ニヤリと笑った唇から犬歯が覗いていた。
こいつに見下ろされるのは嫌いだ、何もかも負けたような気分になる。

「どけよ、そろそろジャイロが戻ってくる」

「…ああ、そうだな…奴の匂いがする…あと数百メートルってとこか」

チッ、と舌打ちをして奴はぼくの上から退いた。
こいつ絶対に殺してやる。
Dioが馬に股がりぼくを振り返る。

「ジョニィ、俺は諦める気はないぜ、嫌がられると燃えるタチなんでね…」

じゃあな、とそのまま愛馬のシルバー・バレットと共にDioは姿を消した。
あの時遠ざかっていく背中を何故撃ち殺してしまわなかったのか、後悔するのはそれから三十分も後のことだった。




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