※美しい物に触れる
2013/10/24 08:18
□ディエジョニ
ちゅ、ちゅと厚めの唇を啄ばむ。
ぺろ、と下唇を舐め上げてもう一度。
身体の奥からもっと触りたい、という欲求がこみ上げてくるのを抑えてこの行為に浸る。別に誘っているとかそういう訳では無かった。キレイなモノがあるから、触れたくなってしまっただけだ。
形のイイ眉が顰められ、ちゅっとリップ音を立てて唇を離した隙に顎を掴まれた。
「……これはどういう事かな、ジョースター」
「別に。特に何も理由ないよ」
「ほお」
ぐいっと顔を引っ張って相手が唇を寄せてくるのを全力で拒んだ。
あからさまに不機嫌な顔をして睨みつけてくる奴に、君からは嫌だ。と言ってやる。
「…………なぜ」
「君からは嫌。ディエゴ、ねちっこいから」
「おまえ、誘っているんじゃあないのか?」
誘ってないよ?全然、これっぽっちも。真顔で言えばどうにも機嫌を損ねたのか、顔を逸らされる。ああ、残念。
伏せられた瞼を縁取る金がふさふさとキレイで顔を寄せて唇を這わせた。眼球がぴくぴくと動くのが分かる。
ぼくを剥がそうとした腕がダラリと下がっているのに気づいて笑ってしまう。君、分かり易すぎ。それに気づいたディエゴがグリーンの瞳を見開き、少しだけ頬を染めた。ちょっと可愛いかも。
ますます触りたくなって手も体に這わせてみる。胸板と腹筋に片手ずつ触れながら染まった頬にキスをした。
「……っおい」
「んー……」
「ジョニィ……ッ!」
べらりとセーターを捲り上げてすでに主張している乳首に触れる。くるくる指先で弄って、飴玉でも転がすように舐めた。そこも、ちゅっとリップ音を立てながら啄ばむ。ハアッと熱い吐息が聞こえてゾクゾクと背筋が痺れた。
「ジョニィ……」
「……ん、なに?」
「オレ、も……触らせろ」
触りたい、と熱っぽく見つめられて心臓が跳ねた。抱えこまれて顔中にキスをされる。ぼくが最初にしたように啄ばむようなキスと、ねちっこいキス。唇を食み、舌に吸い付き、歯列を舐める。苦しいのと気持ちが良いので、自分じゃないような掠れた声が聞こえた。
胸を愛撫し、しつこく乳首を吸い噛み付いてぼくをおかしくさせる。
髪から流れる汗が止まらない。するりと自然な手つきで前に触れられビクンの体を震わせた。
「する気はないんじゃあなかったか?」
ニヤニヤと楽しそうに、色っぽい。何て意地悪なんだろう。く、と指で押されるとくちゅりと音がするのが分かって恥ずかしさに俯く。する気はなかった、けど、触れられるのが余りにも気持ち良くて。彼もそう思ったのだろうか。ごりり、と下半身が腕に押し付けられて期待でゴクリと喉がなる。
耳元で、どうする?と低く囁かれて返事の変わりに舌を入れてキスをしてやった。
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