濡れ恐竜さんいらっしゃい
2013/09/25 13:30

□ディエジョニ(現パロ)

(雨、降ってきたな)

ザアザアと降りしきる雨を、ジョニィは窓から眺めていた。洗濯物は全て中に入れたし、窓も閉めた。先ほどまで外に買い物へ行こうと思っていたが、この雨の中では行く気にもならない。
足が痛む。こんな日は家にいるのに限る。
昼寝でもしてしまおうか、と考えていると玄関のチャイムがなった。誰だろうか?と玄関へ向かい覗き穴から見てみると、びしょ濡れの金髪が見えた。

「……どちらさま?」

「酷いな、ジョースターくん。寒いんだ……入れてくれよ」

相手には見えないけれど、ウゲエと嫌な顔をして渋々ドアを開ける。全身びしょ濡れのバカ恐竜を家に入れてしまった、とため息を吐き、とりあえず床をびしょびしょにされるのは困るので風呂へと追い立てた。タオルとジャージを渡しまだ開けていない新品の下着を渡すと、使用済みの物でも構わないぞ?とわけの分からない気遣いをしてきたので顔をぶん殴ってさっさと入れ!!と怒鳴り散らした。
どうせまた腹が減ったと煩く言われるのだから、昨日の残りのシチューを温める。

(こーんな雨の中外へ出るなんてバカなやつ)天気予報でも降水確率は九十%と言っていた。朝から出かけていたとしても傘を持たない奴はバカだ。丁度、シチューの火を止めたと同時にディエゴがリビングへと入ってくる。皿を持ってリビングへと向かった。

「シチューか……」

「……嫌い?」

「…………いや」

机に置くと、いただきます。と言ってシチューに口を付ける。ぽたぽたと髪先から垂れる雫が気になって髪の毛を拭いてやった。無意識だろうか、ぐるぐると喉がなっている。タオルで水気を取りながら、それで?と声をかけた。

「何が」

「何でこんなびしょびしょなんだって聞いてるんだよ」

「ああ……ちょっと出掛けようと思っていたんだが、途中で降られてな……折角だから寄ってみたんだ」

「バッカだなーいなかったらどうすんのさ。入れないだろ」

「いなかったら帰っていた。でも何となくだが……今日はいる気がしてな」

ザアザアと雨の音が止まない。ディエゴが最後の一口を食べ終わり、中々美味かった。と腹を摩った。そりゃどうも。と言ってジョニィが皿を流しへと下げに行く。リビングに戻るとディエゴはソファでごろりと横になっていた。テレビが付いている。このまま大雨は続くようだ。

「ちょっと、くつろぎすぎじゃあないかい?」

「別に構わないだろう?大人しくしているんだから」

「……まあいーけど」

ぼく寝るから、てきとーに帰ってね。と言い寝室へ向かうとディエゴも付いて来る。付いて来るなよ。という気持ちを込めて睨むと、オレも寝る。と欠伸をしながら目を擦った。何だか子供のようで呆気に取られる。
ぽふり、とベッドに横になると、ディエゴがジョニィを抱き締めて首に顔を埋めた。

「くすぐったい、ばか…………ていうか、しないからな」

「おや、期待したのか」

「してない」

「残念だ」

「……雨宿りさせてもらってメシ食わせて貰えただけありがたく思え」

「ククッそれもそうか。ありがとう」

フン、とそっぽを向くジョニィの頬にキスを落としながらディエゴは言った。今日のジョニィは随分と優しい。きっと誰かに甘えたかったのだ。こんな雨の日は。唇にも軽くキスをして、ジョニィの髪の毛を梳く。

「言っとくけど……雨が止むまでだから」

「ハイハイ」

ぎゅっとジョニィの腕がディエゴの背中へと回り正面から抱き合う。そのうちに二人の寝息が聞こえてきた。外は土砂降りで、まだまだ止む気配はない。

(本当は君だって寂しくて来たんだろう?ディエゴ)

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雨の日のディエジョニ



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