4
「明日楽しみだねー」
「そうだな」
そんな会話をしながら二人で歩く。
明日は、私達の学校で天体観測がある。
なんでも、明日は流星群が見れるらしく。
普段は立入禁止の屋上に集まり天体観測をする。
それができたのは、私達の先生が校長にうまく交渉したからだ。いつもは怠そうでもなんだかんだやってくれるんだよなぁ、あの人。
「どうしたの?」
「あ、いや何でもない」
どうやら長い間ボーっとしていたらしい。
カノは何事もなかったかのようにまた話し始める。そういうところ、優しいなぁ、なんて。
「でも流れ星に願い事とか、キドって案外乙女だよね〜!」
前言撤回。
やっぱり優しくない。
「もう!ほんっとにお前は…!」
「え!?ち、ちょっと!待ってよー!」
後ろで何か言っているが知らない。
そのまま歩みを進める。
…ていうか。
聞かれてた…!!
先日マリー達に、
「流れ星にお願い事するならキドは恋愛成就だね!」
なんて言われて。
願い事の話をしていたのだ。
聞かれてないと思ってたのに…
最悪だ…!
でも、やっぱり私がカノを好きな気持ちは誤魔化せなくて。
だから二人に気付かれてしまったんだと思う。
告白はしないの?なんて聞かれたけど、言えるわけ無いじゃないか。
好きだなんて、口に出せるわけ無いじゃないか。
[ 21/21 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]