011


「よォ」
「………」
「オイ」
「………」
「綾瀬」
「………」




トラップ





担任の話によると。
どうやら隣の席のコスプレ鬼太郎少年もとい全身男性器すなわち変態よってうざ杉くんって名前の?なんかうざい人が?
あたしに会いたいから朝から来てたんだから無視しないで話くらいきいてやれとかどうだとか?

「…で、なんだよ」
「なんだよじゃねーよ何だお前ェ態度悪いな」
「だってお前生理的に受け付けないんだよ気持ち悪い」
「………俺、女にそこまで言われたの初めてなんだけどよォ…」


転校したばかりという理由ではなくほぼ手ぶらでの登校の為教科書が無く、どうせ聞かないから別に支障も無く頬杖をついていたら。
担任が「隣の席の高杉くーん綾瀬ちゃんに教科書見せてやれよ」とか言ってたから同じくほぼ手ぶらの高松くん?は、なんか地味な少年から教科書を『借りて』、無理矢理机をくっつけてきた。うざい。









こんなに血眼になって探していた俺の事すっかり忘れやがって。

手掛かりも何も無い中で、こうしてお前から俺の所にやって来るとはな…
まさかこんなに見た目も性格も変わってねーとは思わなかったぜ?

まぁ、例え「あの時」とナリが違ったって。


あの時の、約束だから、








とかなんとか、隣の野郎は一生懸命話していた授業中。
右から左へほぼ流れる声。

あたしは睡魔に身を委ねる。









「ーーーっらァァァァ!!」


だからこの状況は、何かのトラップだとしか思えないという、罠。

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