春、麗らかな日差しの中、私と幼馴染は、二人で、私の家の縁側にて絶賛ごろごろタイムである。
私は、今日発売したばかりの、桜味ポッキーと、梅茶、苺味チョコレートを用意し、幼馴染を招待していた。
というと、格好いいけど、ただの花見です。ええ。

私の家は、とても、とても!(大事なことなので二回いました)古い家なので、梅とか桜とかが、植えてある。もとはすごい家だったとかで、お庭はもちろん家も広くて、古くて、綺麗だ。
それで、庭の桜が咲いたので、幼馴染を呼んで、花見と洒落込んでいた。

彼は、私の用意したお菓子類を見て、

「春全開のお菓子だねえ。」

とふんわり、笑んだ。
この不思議っ子幼馴染め、かわいいから許すけれど!
こいつは女の私より綺麗な顔をしている。おかげで小さいころは、女と間違われていた。(それをいうと、少しすねたような顔になる。絵になるのがむかつく。…これだからイケメンは!)

ぼんやりと舞う桜を見ていると、彼が何を思い立ったか、ポッキーを手にして云った。

「ポッキゲーム、しよ。」

「今日はエイプリルフールでもなければ、ポッキーの日でもないよ!」

「いいじゃん。ね?」

「何もよくないことに気づいてくれないかな。」

そういうと、彼はこてん、と首をかしげた。(似合うとか悔しい、絵になるのがむかつくー…!)
そして、ポッキーを口にくわえ、私のほうへ近づいてきた。
え、ちょ、拒否権すらないんですかね?!

「…んー。」

「…えぇっと、そのー、」

「ん、」

「いや、だからね。」

「ん!」

「はいすみません、やります、したいですっ!」

目線が、しろ!と言っている。なぜ恋人でもないのに、こんなことしなくちゃならんのだろうか…。
ゆっくり口を近づけ、ぽきんっ、と一口食べた。するとあいつは信じられないことに、後頭部を抑え、逃げれないようにしやがった、後で見てろよ…!
そうしているうちにも、彼の綺麗な唇が、私に近づく。

ちゅ、

可愛い効果音を(わざと)立てて、やつは離れていった。

「…ドキドキ、したぁー?」

「お前なんか大嫌いだ…。」

「ええー。恋人なんだからいいじゃん。」

「え、」

「え?」

あの、初耳なんですけれど幼馴染さん!?

「え、そうなの。」

「え、違うの?…まあ、いいや。じゃあ今から恋人同士。ね?」

「えっと、拒否け「あるわけないじゃん。」ですよねー。」


(正直嫌じゃないとかここだけの話。)
 





桜味ポッキー



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