白井くん、なんでもできるから、つい
わたしや誰かに言われ、傷ついただろう言葉を、わたしはなんて軽々しく言ってしまったのだろう。
わたしは、こんなことを堂々と出来る人だったのか、と少しだけ嫌になった。
別に梓の言葉で傷ついてなんかいなかった。
承知済みだったし、ホントにどうしようかと考えていたし。
わたしだって、同じ思いをしたことがあって、傷ついたのに。
わたしは白井くんに、嫌な思いをさせてしまった。
「ごちそうさま、でした」
とりあえず明日きちんと謝ろう。
そう考えながらのろのろと食器を片付けるにした。
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何やってんだろ、俺。
暖かそうな優しい家に帰る榊原を見送った俺は自己嫌悪に駆られた。なにもしらない榊原に変な質問吹っかけた挙句がこの様だ。
カッコ悪すぎだろ…。
最初はこんなつもりじゃなかったんだ。最初は関わらずに見ているだけでよかったんだ。
なのに俺は何やってるんだろう。おかしい。こんなはずじゃなかったんだ。
何もしないつもりだった。
話しかける気すらなかった。
なのに。
少年視点
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