「梓ちゃん!一緒に帰ろう!」
「え、いやです」
「照れなくてもいいんだよ?家までちゃんと送り届けるから」
「大丈夫です。一人で帰ります」
「恥ずかしがり屋なんだから〜」
「誰だって社会の窓全開の人とは歩きたくないです」
「……………あっ」
「…………………」
「…………………」
「…………………」
「…………見た?」
「見たというか見てしまったというか」
「わあぁぁぁああ!!恥ずかしい!!忘れて!!」
「言われなくとも。じゃあ私帰りますね」
「待って待って!」
「待たないです」
「チャックちゃんと閉めるから一緒に帰ろ!」
「変態臭いセリフありがとうございます。さようなら」
「ほんとに待って。もう暗いし危ないよ」
「及川さんといる方が危ないです」
「何もしないって!」
「パンツ見せられました」
「わっ、わざとじゃないよ!」
「わかってます。ていうかそもそも及川さん、家の方向逆じゃないですか」
「あっ、俺の帰る方向覚えててくれたんだ」
「…………………」
「方向なんて気にしなくていいんだよ。好きな女の子を一人で夜道歩かせられないし」
「わかりました」
「じゃあ…!」
「走ります」
「!?」
20140530