「俺、毎日この時間が待ち遠しくて仕方ないよ」
「学校なんて部活とお昼ごはんのために来てるようなもんですもんね」
「そうだけどそうじゃなくてね?」
「はい?」
「昼休みは梓ちゃんと2人きりでいられるじゃん」
「…そうですね」
「あれ、梓ちゃんなんか元気ない?」
「そんなことない、と、思います…?」
「疑問形?」
「んー…自分でもちょっとわかんなくて」
「どうしたの?なんかイヤなことでもあった?」
「そういうわけじゃないんですけど…」
「うん?」
「…………とりあえずぎゅってしてください」
「……………え?」
「あ、イヤならいいです」
「ちょっ、イヤなわけないから!します!するよ!むしろさせてください!」
「………」
「はい、ぎゅー!」
「(及川さんの匂い…落ち着く、けど…)」
「………………」
「及川さん」
「な、なに?」
「心臓の音がうるさいです」
「そ、それは我慢して!仕方ないから!」
「ふふっ、顔も真っ赤です」
「〜〜〜〜〜〜っ」
「及川さん」
「なに?」
「私、及川さんに甘えたかったみたいです」
「………………………」
「……なんで頬つねってるんですか」
「夢かと思って…」
「(ちょっとイジめすぎてたかな…)」
「梓ちゃん、いつでも甘えてくれていいからね」
「…か、考えときます」
「(赤くなってる…!)」
「(今さら恥ずかしくなってきた…)」
20140619