雨上がりと君の笑顔
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今日は待ちに待った翔ちゃんとのデート日。
やっと翔ちゃんお休みもらえたみたいで。
しかも今日はピクニック!しかもしかも私の手作りお弁当付き!
ずーっと、何入れようか試行錯誤しまくったんだから。
おまけに超早起きして作ったんだからね!
なのに.....
『翔ちゃんってば本当に雨男だよね!』
天気はピクニックに不釣り合いな雨!大雨!! 台風でも来たんですか?!っていうくらい大荒れの天気。
「す、すまん...」
翔ちゃんは土下座して謝ってきた
『だって翔ちゃんと一緒にお出かけしようと、楽しみにしてる日に限って降るんだもん! もしかして私とのデート面倒だと思ってた?だから.....』
「...だから?」
『だからその被ってる帽子に秘められた力で雨を降らせたのね?!』
「はぁ?!なんだよその中二病発言は!」
『だってこの間も約束した時降ったんだもん』
「だもん。ってまた子どもみたいな拗ね方しやがって」
『別に子どもでいいもーん。だってあれだけ“晴れますように”ってお願いしても降るんだもん!』
「俺様だってすっげー楽しみにしてたんだからな。そりゃ前に観覧車乗りに誘われたときは、雨降って欲しいって思ったことあったけどよぉ...」
『翔ちゃんの裏切り者!おたんこなす! あーもう悲しい。この間だって龍也先生にちょっと会いに行こうかなー、って思ったら降ってくるしさ』
「それは悲しいよな、っておいっ!何俺を差し置いて龍也先生に会いに行ってんだよ!」
『息抜きがてらバイクに乗せてもらおうと思ってね?なのに雨とか最悪でしょ?』
「確かに最悪だな、うん。ってオイッ!
龍也先生はすげぇ忙しいだろ!てか羨ましい!つうか軽く浮気発言!」
だぁっ!ツッコミ追いつかねぇ!
息を切らしながらそう言った
「てか雨男なのは俺じゃなくて、名前じゃねぇのか?」
『なにそれ翔ちゃんってばこの後に及んで私のせいにするの?そんなに悪い子だったの?!』
でも、た、確かに、去年の花火大会では雨で中止になったっけ。
振り替えでもう一回あったけど、ついに台風来ちゃって。
この間の大雪もそう。
わーい積もった!遊ぼー!!って表に出たら、雪が雨に変わっちゃって。
それで雪は溶けるし、地面もドロドロのシャビシャビになったし。オマケに滑って尻餅ついたっけ...
「お前雨運無いっつうか、もはや運自体が悪いんじゃないのか...?」
あまり気にしてなかったけどそうなのかな。
翔ちゃんが憐れむ様な目で見てくるからそんな気がしてきた。
『もう分かったよ、私は運が無いんだよ』
「名前...」
『いいよ翔ちゃん、普段からイイ子にしてなかったバチが当たったんだよ。お弁当ももったいないし、お家で食べよ?』
「すまんな、さすがに雨は俺でも..『あーっ!!』
「いきなりなんだんだよっ!」
『翔ちゃん見てみて!』
「てか俺じゃなくてどこ見てんだよっ」
翔ちゃんは怒りつつも私が指差す方を見た
「すっげぇ晴れてるじゃんか!」
窓から見える外は眩しいほど晴れていて、さっきまで雨だったのが嘘みたいだった
『やったね翔ちゃんっ!おたんこなすなんて言ってごめんね!』
「おうっ!って最後余計な一言ついてっけど」
『よぉーしっ!じゃあ翔ちゃんっ』
「おうっ!ピクニック再開すっか!」
雨が上がれば大好きな人の笑顔があった
2014/03/07 Fri.
企画の初回は翔ちゃんでしたっ!
ヒロインがおバカっぽいというか、単なる運の悪い子というか(笑)
とりあえず切ないのではなく、甘系になりホッとしてます(笑)