◆感情
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僕は彼女がとても大切な存在で
本当に好きなのに
なのに最近そう思うとイライラしていた
「ねえ僕は君のことが好きだよ。
でもいくら君を好きと思っても、僕の感情はデータから作られたモノに過ぎないんだよ!」
『藍ちゃん...』
怒りがおさまらないなんて、僕らしくない。
「例に今怒ってる気持ちもそう。
僕の感情ではなく、インプットされたモノなんだ。確かにデータは人の感情から取ったものだ。でも例え元が人から 取ったモノだとしても!
僕は..僕はデータ化したロボットに過ぎないんだよ!!」
...分かってるんだ
これは単なる八つ当たりだって。
どんなにもがいても どうしようもない事も
『ねぇ藍ちゃん』
彼女は静かに言った
「同情とか..いらないから」
彼女は黙って僕の手を握りとった
『私は今藍ちゃんが悲しんでて、私も悲しい。でも悲しいって感情もそう。
さっき、人の感情をデータ化したものに過ぎない。 って言ったよね』
「?..うん」
『人は誰かが悲しそうにしてるのを見て、
悲しいという気持ちを知るの。
だから私も誰かが悲しい。っていう感情を読み込み、インプットしてるの。ねっ、藍ちゃんと同じでしょ?』
顔を上げると彼女は泣いていた
「泣かないでよ..
僕まで悲しくなるじゃない」
『あっ..』
え?
『藍ちゃん泣いてる...』
頬を触ると濡れていた
2013/5/19 sun.
ラストですが、藍ちゃんも涙を流せる。
という意味もありますが、
ただそういう意味だけではなく、
他の意味も汲みとって頂けたら嬉しいなぁー。
と思ったり。