パッショーネ本部、玄関ホールにジョルノが茜李を伴って入ってくる。彼らが結婚して早1ヶ月が過ぎた。
恭しく礼をしていく構成員の中を二人は腕を組んで歩いていく。その姿は以前と何も変わらず慈しみに満ちていた。
「あ、アデレードさん!」
「Ciao,アデレード」
エレベーター前に立っていたアデレードに茜李が声を掛ける。続けてジョルノが挨拶するとアデレードは振り返って微笑む。
「Buongiorno,Mio caro capo e Moglie del capo.」
アデレードは恭しくカーテシーをして敬意を表す。
“親愛なるボスと奥様”
この呼び方はジョルノと茜李が結婚してから始まったものだ。
到着したエレベーターに3人で乗り込む。
「ねぇ、アデレードさん」
「Si,moglie.」
「前みたいに……茜李って呼んでください!“奥様”なんて……距離があって寂しいです……」
ぷくっと頬を膨らませて怒る茜李にアデレードはその表情が以前と何も変わらないことに気付いて、ちらりとジョルノを見た。
ジョルノもそっと目を伏せて小さく頷く。
アデレードは茜李の素直さやジョルノの彼女への愛を微笑ましく思った。
「Si,茜李」
「はい!」
以前と同じように名前で呼べば破願する茜李は名実共にこのパッショーネの美しい灯りである。
その眩さにアデレードは微笑み、そっと目を閉じた。
まだ美少女
前でなく隣で歩みたい