◆フラグメント 1

 二人が受付をぬけるとレアナは尚も動揺した様子で「それじゃ」とテリーに背を向けてどこかに歩き去ろうとした。しかし、それを腕を掴んでテリーが制する。

「こうなったのは成り行きだが、お前と共闘する以上何ができるか知っておきたい」
「……あー…」

 数度、息を吐いてレアナはこくり、頷いた。それも道理だ。いきなり知りもしない相手と共闘できるわけがない。

「お前、妙なやつだな。お前から勝手に誘ったくせして今さら嫌になったか?」

 動揺しぱなっしの様子のレアナを、テリーは戸惑ったように、どこか呆れたように見る。あまりにもそれが表情に出るから、レアナはしばらくしどろもどろになりながら、適当なことを言って誤魔化そうとしたが、既に訝しんでいるテリーの態度をさらに悪化させるだけだった。仕方ない、と諦めてレアナは曖昧な笑顔を浮かべながら……こう答えた。

「その、実は、強者を探してて」
「……はぁ」
「……最強の剣を得たいって言うようなら君がそうなのかな、と」
「用心棒でも探しているのか?」
「いや、探している人の特徴が「強者」以外でわかんなくて」
「なら、俺ではないだろうな」

 俺はお前とは初対面だ、残念だったな、と告げられるとレアナは曖昧な笑みを浮かべた。
 
「それがね、顔も性別も年齢も何一つわからないからさ」
「……よくそんな条件で探す気になるな」

確かにそうだ、と思いながら先ほどの彼の言葉を思い返す。探している相手の条件が、強者である、という条件に対して……テリーは、



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