早く君に、

※決意という名の、の続き。






ナマエが旅に出る、と言った翌日。
朝ナマエの家へ行ってみると彼女はすでにいなかった。
実行が早いことに驚いたが、せめて俺に一声かけてくれても良かったんじゃないのか?

仮にもその……俺のこと好きなんだし?
あー、自分で言ってて恥ずかしくなってきた。
というか、よくよく考えたら、俺以外のジムリーダーからバッチを集めると言っていたが、それはかなり時間がかかるんじゃないのか?
つまり、ナマエとは当分会えないということになる。
ナマエの場合、定期的にキキョウに帰ってくるとも思えない。

ナマエがバッチを集めるまで、俺は彼女に返事どころか話すことさえ出来ないのだ。

なんだ、この生殺し状態は。



ハヤトはぼんやりと空を見上げた。
雲ひとつない快晴だ。
彼女も同じ空を見ているのだろうか。
今、彼女は何をしているのだろうか。

俺がこんなに彼女のことを考えているのだから、彼女も俺のことを思い出してくれていたらいいな、なんて。



早く君に会いたい伝えたい


「あっ、ポッポだ!
ヒノアラシ、ひのこ!」
「ヒノー!」
「ポッポ捕まえとかないとハヤトうるさそうだもんね〜」
「ヒノ?」

20101003

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