06.願う
「あ、流れ星」
「えっ、どこですか!」
「あっちのほう、もう見えないよ」
「えー、残念。見たかったなあ。イルミさん、意外と周りのこと見てるんですね」
「それどう言う意味?」
「べつにー?でも、すごいですね。私たち普通に話してたのに、私、空なんてまともに見るの久
しぶりです。あれ、イルミさんってロマンチストですか?」
「ロマンチストじゃないとは思うけど……。目の端に不規則な動きが見えたら、気になるし」
「へえ、なんだか不便ですね」
「そうでもないよ」
「イルミさんは、なんてお願いしたんですか?」
「お願い?しないよ」
「どうして?」
「願いは自分で叶えられるし、神頼みはあんまり好きじゃない」
「そうですか」
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君は、何を願うんだろう
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