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次郎はよく家に来ているし、おそらく合鍵で入ったのだろう。
「帰って来たからレンと話そうと思ったんだが部屋に行ったきりなんだ、丁度よかったよ」
「キョウコさんに要件ですか?待つんでしたらジローさんの夕飯も作りますよ」
「いや、実はあまり時間が無いんだ。置いて行こうかとも思ったんだけど、伝言くらい残そうと思って」
次郎は立ち上がってポケットからキーケースを取り出した。
その鍵の中の一つをホルダーから外して舞良に手渡した。
「合鍵、返すよ。携帯に連絡がつかないから仕事の合間に来たんだけど、こんな時間に家になんかいないよな。
お互いの仕事場には行かない約束だから仕方なかったんだけど」
「…えっ、ジローさんどうかしたんですか」
「別れようと思うんだ…理由は言わないでおくよ。だからとりあえずこの鍵を渡して、連絡くれるように言ってくれないか?」
渡された鍵を握りしめて、舞良は呆然と次郎の顔を見た。
次郎は寂しそうな目で微笑んだ。
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CINDERELLA STORY