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「灰宮!」

名前を呼ばれて舞良は慌てて顔を上げた。

教卓の前で日本史の教師が腕組みをして舞良を見ていた。
クラスの半分以上も舞良を振り返ってきょとんとしていた。

「随分余裕だな、灰宮。自分は成績優秀だから授業も聞かないでもいいと」
「…っすみません」
「授業態度で減点されたくなければ、試験前の授業はもっと真面目に聞くんだな」
「はい…」

その後は散々嫌がらせのようにあてられ、何とか教師の怒りは収まった様だった。

あてられる度に、隅の方にいる女子が顔を見合せてクスクス笑っていた。


「マイロ運が悪かったね、私なんかいつも聞いて無いのに」
「いいの?しあさってから中間なのに」
「欠点取らなきゃいいのよ、歴史そんなに好きじゃないし、数学も化学も好きじゃないけど」
「…そう…」

教科書や文具を鞄にしまいながら響は言った。

今日は六限までで、時間には少しだけ余裕があった。

ただ今日は何故か恋からの夕飯の指令が無かった。
外食の予定なのかと思い、舞良は気にしていなかった。


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Dog-ear ??
CINDERELLA STORY






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