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「そうだね…そっくり。何でレン兄さんに似るんだろう」
「兄妹だもん」
「だったら俺に似るべきだと思うのにな…いっつも一緒にいたのに」
「レンくんは血が繋がって…る…から…」
「そうだけど、それで言ったらキョウコさんに似ると思うんだけど」
「…気にしないの…?」
「何を…?もしかして血の繋がりの話してるの?」
「うん…」
「俺をお兄ちゃんだと思ってくれないの?」
「思ってるよ!当たり前だよ!」
「じゃあ、気にする必要ないでしょ?サヤカは妹だよ、唯一のね」
「…そっか、そうだね」
「…」
「あ、サヤカ、マイちゃんのその顔好きだよ、"微笑む"の代表みたいな顔してる」
「あはは!何それ」
「ねえ、マイちゃんのお父さんとお母さんの話して」
「俺の…ね」
「うん、聞いてみたいな」
「そうだな、お父さんは優しくて仕事熱心で、でも家族が一番大事だと思ってる、そんな人。お母さんは昔は少し不安定だったけど、今は俺の話を聞いてくれる優しい人だよ」
「それって…」
「俺の父と母は、ジローさんとキョウコさん以外にいないよ」
「…そっか、」
「あ、来たみたいだね。降りてくれるかなサヤカ、セクハラで解雇される人の前で、その被害者の女子生徒を膝に乗っけておくわけにはいかないから」
「マイちゃんのその笑顔、ヤスお兄様みたい」
「兄弟だからね」
「…そうじゃなくて…何か黒いオーラが、」
「あはは、何の話してるかわかんないな」
「…」
「どうぞ、田中先生!入られてください」
「さよなら田中…」
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CINDERELLA STORY