P 100/211
二人が黙ったままその試験結果を見つめていると、舞良のポケットで携帯が震えた。
舞良は一気に頭が切り替わり、心拍数が上がった。
携帯を取り出すと響も嬉々とした表情を浮かべて舞良を見た。
「アカリから?」
「うん…」
舞良は緊張しながらメール本文を開いた。
《誘ってくれて、ありがとう。一緒に行きたい。やっとあなたが誰なのかわかるのね》
「…」
「ねえ、どうしたの、アカリ何だって?」
「一緒に行きたいって…」
響は固まってる舞良に代わって奇声を上げて飛び上がり、舞良に抱き着いた。
舞良は放心したまま飛び付いた響の衝撃を吸収した。
「やったあ!やー!嬉しい!」
「うん…うん、嬉し過ぎる」
朱里がオーケーをくれた事とそれを自分の事の様に喜ぶ響が嬉しかった。
それでもやっぱり女の子に抱き着かれ慣れていないので、離れてもらった。
響はそのままずっとニコニコ笑っていた。
「早く返事を返して、待ち合わせ場所よ」
「どこがいいかな?」
「ホテルのロビーに噴水があるの、そこにしたら?」
「あ、うん」
《凄く嬉しいよ、こっちこそ一緒に行ってくれてありがとう。
当日の7時にホテルのロビーにある噴水の前で待ってて、俺が見付けるから》
「素敵な文句ね、マイロ完璧よ。それに正装したら一番の美人になるんだからアカリが惚れる事間違いないわ」
「それはないから、…とにかく帰ろう。急がないと夕飯が間に合わない」
響にタクシーで送ってもらって響と別れ帰りつくと、舞良は玄関前で戦慄と悪い予感がした。
その予感は見事的中したが、舞良に喜ぶ事は出来なかった。
←* | top | #→
→ Dog-ear ??
CINDERELLA STORY