進路希望を提出した。
次の日に俺は職員室に呼び出された。

「書類不備だ、書き直せ」
「え?どこが?」

担任は煙草を吸いながらくたびれた薄い紙を取り出した。氏名欄には俺の名前がある紙だ。最初の項目は『進学希望か就職希望か』という問いで、四角の解答欄に俺は『就職希望』と書いた。字も間違えていない。

「真面目に書けクソガキ」
「書いたし、チョー真面目だし」

担任は勢いよく煙草を灰皿に押し付けて消した。

「真面目に書いた奴のプリントに“スーパーヒーローになります”なんて書いてあるはずがねえよ、書き直せ」
「スーパーヒーローと言ってもキャットウーマンになりたいとか言って無いんだから、そう怒るなよー」
「就職希望するとして、例えばどこに就職する」
「とりあえず、新聞社」
「何だよ真面目に考えてるじゃねえか、お前ジャーナリストになるならそれならの学力…」
「…何?何で急に黙るの」
「新聞社ってお前、何でだ」
「クラークケントはニューヨークタイムズの…」
「やっぱりかてめえ、殴るぞ」
「やっぱりスーパーヒーローといえばスーパーマン、俺なるなら絶対スーパーマン」
「スーパーマンは宇宙人だろ、生まれ変われないと無理だな、一回死ね」
「教師として駄目じゃないそれ」
「真面目になれ、真面目に考えてみろ、急には出せないなら持って帰ってもいい」

持って帰り睡眠時間を10分削って書いた。
朝提出したら昼休みに呼び出された。

「どこが真面目だ」
「いや、俺考えたんだけどスーパーマンになるにはまず怪力だと思って」
「“重量挙げ選手→漫画アシスタント→空を見る→金持ちになる→ある日突然両親を殺される”何だこれは、まず→って何だ。気付いてないかもしれないがこの項目は就きたい職業を書く欄で、空を見る以降は職業ではない」
「怪力だと思ったあと次は空を飛ぶ事だと思ったんだ、で、俺飛べないからさあタケコプター有ればなと思って藤子・F・不二雄に取り入ろうという作戦でアシスタントに」
「不二雄もタケコプターは持ってないぞ、持ってるのは猫型ロボットだ」
「で、次は透視能力かなと思って。目がよくなれば見えるんじゃないかという事で空を見る。あ、もちろん鉛は見通せないけど」
「目がいいの究極が透視ならそりゃ視力何だよ」
「次なんだけどスーパーブレスって肺で窒素を圧縮して液体窒素にする事で実現するらしいんだけど、それは無理じゃん?」
「それ以前に無理だと気付ける曲がり角があっただろ。つかお前やけに詳しいな」
「だから口の中に仕込める液体窒素を研究しようと思った、でもお金がない、だから金持ちになる。で、よく考えると金持ちになればバットモービルが買えるだろ?そしたらスーパーマンになるよりバットマンになる方が近道だったよ!だから両親を殺される。すごくない?」
「すごいな、お前の妄想力」
「金持ちってどうやってなるのかな」
「てめえで考えろ」
「進路指導だろー、相談にのってよー」
「そうだな、とりあえず最終的に殺されるご両親を電話で召喚する」

何故か母親に泣かれてしまい、俺は進学する事になった。とりあえず蜘蛛の研究室に社会科見学で行く所を探すつもりだ。難しそうならプロフェッサーXがいる学校に入学させてもらおう。
それにはまず、英語力だな。


スーパーヒーロー



スーパーマンの能力は、こんなもんではないです。因みにスーパーマンの本名は、カル=エルです(多分)。彼は最強にして最高のヒーローなんです!
映画スーパーマンシリーズ、網羅。そしてスモールビルという海外ドラマにハマっていた私ですが、本物のコミックは読んだ事がない、半端者のファンです。

written by ois







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