「マジかよ!」
「おー、マジだよー」
「お前に言ってねえよ、っていうか人の独り言に勝手に返事するくらいなら、せめて本から目を離せ、こっちを見て言え、超おざなりじゃねえか」
「…」
「で、シカトかよ!」
「うるさいなあ…何騒いでんの?暑苦しいんだけど、存在が」

お前は一体何なんだ。

「お腹空いた」

俺もお前みたいになりたいよ。

「不公平だ!」
「聞き飽きた」

良く言えば、人に対して究極の正直。
悪く言えば、かなりの毒舌。
歯に衣着せない発言に、人はなじられようと、こいつを嫌わない。美人で、世渡り上手だから人に微笑む事はたまにするんだ。

「ムカつく!しね!」
「ねえ、暑苦しいからアイス買って来て」
「うおー!マジでしんで欲しい」
「笑顔で言われても…このドエム。豚野郎ってなじりながら踏んでやろうか」
「怒りの臨界点超えると顔がひきつるんだよ!」
「ただでさえ、醜いのにね」

クソ、言い返せねえ!

「それで、何が"マジかよ"なの?」
「何だ、気になるのか!」
「嬉しそうに笑われると、凄く不快になるのは何でなんだろう…豚野郎」
「…」
「おお…その表情で生きてたら、ドエム人生で勝ち上がれるよ」
「勝ち上がりたくないし、お前本当にムカつくし」

俺はアイス買いに行く準備始めてるし。
俺って本当に負け組。

「ハーゲンダッツのクリスピーサンドのキャラメルがいい」
「スーパーカップ以上の物は買わない」
「苦学生」
「どうせ奨学生なのにバイト尽くしだよ、仕送りなしだよ、そんな俺にたかるなよ」
「でも買いに行くんでしょ」
「行って差し上げるんだよ」

突然、こいつは綺麗な口を微笑まして白い歯が少しだけ見えた。

「そんな君が、嫌いじゃないよ」

でしょうね。
大親友の幼なじみコノヤロー。

「じゃあ二人でチューチューパピコでいい?」
「キモい、ハーゲンダッツのクリスピーサンドのキャラメル」
「妥協とか譲歩とか」
「しない」
「いや待てよ?何で俺が妥協して欲しいとか譲歩して欲しいとか提案しなくちゃいけないんだ?」
「そんな君が、嫌いじゃないよ」
「そういう意味かよ!」

でも玄関で靴を履いている俺は、こいつの言いなり。

「ちょっと待って、結局何が"マジかよ"なのか言ってから行きなよ」
「気になるんだろ?正直に言えよ」
「ははは」
「無表情で笑うな、怖すぎ」
「で?」
「…実は…」
「うわ、その顔超楽しい、何なに、悲しい事?」
「結婚したんだよー!俺の心のハニーがあああ!」
「…」
「俺のミランダ…」
「…」

さっき見ていた携帯のニュース画面をもう一度見た。

「…、で、教えてやったのにその顔は何だよ」
「くだらな過ぎて絶句、しかも洋モノ」
「AVみたいに言うな、モデルだっつの」
「今すぐハーゲンダッツを買って来て、買って帰ったらもう一度出掛けて欲しい」
「え、何、そんなキモかった?」
「豚」

ハイハイ、もーいいです。
でも絶対ハーゲンダッツは買わない。帰って来て踏まれたって買わない。

…いや、踏まれそうになったらそれはその時であって、買いに戻るかもしれないけれど、今の気持ち的には買わないって話で…。

「あ、やっぱりキャラメルじゃなくて抹茶がいい。二つとも買って来て豚野郎」
「…了解しましたコノヤロー」


ドエムとドエスの凡庸




ドエスは男でしょー、女でしょー。
私の予想は男でしょー、でも女でも楽しいでしょー。この小説超くだらないでしょー!(ズバリまるお学級委員長風"でしょー")
ミランダの結婚は事実。ミランダの結婚というか私にはオーリーの結婚のショックなんですが。お似合い過ぎて何も言えない。泣いてなんかいない。

written by ois







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