「風介」
「なんだ」
「眠れねぇ」
「…そうか」
君が眠れなくてもこちらは眠くて仕方ないのだが…
というように迷惑そうに返答するお前
「とりあえず私は寝るぞ。君も部屋に戻ったらどうだ」
「………。」
我ながら冷めた言い方だとは思ったが眠いので仕方がない
「…お前ってさ、冷たいよな」
そういってあいつは部屋のドアを静かに閉めた
何故、そんな顔をするんだ
……………………………。
ああ、眠れないっ!!!
瞼の裏に張り付くあいつの哀しそうな顔。
私は知っている
こう気になることがあれば見事に眠りを妨げてくれる
(仕方のない奴だ)
起きあがって机の中からアロマオイルを取り出す。
私の睡眠をてつだってくれる愛好品だ
静かにあいつの部屋ドアを開ける
−−ガチャ、
「わッッッ!!」
「うわああああっ!?」
「貴様なにをしている!!!」
「ははっ引っ掛かった〜(笑)」
(お前が来るの、知ってたから)
(なっ!!)
(だってお前俺のこと…)
(煩い煩いッッ!)
騙された愛 10.11.6