GHOST NO.4 1/3






−長官



持って行くデータには何も書かなくていいからね



『何故?』



決まってるだろ



あの人と…



あの人の大切な仲間が居るからだよ



『…イオク』



お願いだよ

















最初で最後の
お願いなんだ
















「初めて顔合わせした日の事…イオクと神田の挨拶、覚えてます?」


「…覚えてないわ。」


「俺もサッパリさ。」


「彼女…僕達三人には『宜しく』と言ったのに、神田には『"初めまして"宜しく』と言ったんですよ。」
















「僕に目はあるよ。」


緑と赤の…オッドアイ


「色違いだけどね。」


嗚呼、俺は大きな間違いを犯していた


コイツは俺が知ってるイオクじゃ無い





別人だ





「それなら、いい」


「きっと君が思ってる人とは違うよ」


「だろうな」


「じゃ、もう僕行くから」


























…もし この世界が確かな事だけで溢れているのなら、こんなにも辛くならずに済んだのに。





「泣くな…まだこれから…やる事が沢山ある」





まだ僕はやれるんだよ 長官















彼にはもう、何も失って欲しく無い…


其の思いだけが今の僕を突き動かすんだ










彼が大切だから










NO.04





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