GHOST NO.3 1/3






「イオク!」


「見てるから誰か呼んで来い!」


「解かった!」


「…ユ……っ」


「安心しろ、俺がいるから。」


「ん…っ」


「離れたりし無ぇから。」










ずっと一緒だ











何年ぶりかにイオクを抱き上げた。


あの頃とは違う成長した身体…。


でも、抱き上げる事により少し大きめの上着に隠れる肩を掌で抱えれば酷く華奢で…とても軽かった。


ちゃんと食べているのか心配になりイオクを見下ろせば俺の胸に寄り掛かりすやすや眠っていて、変わらない其の寝顔につい頬を緩ませた。


お前が俺を覚えていないとしても、俺はお前を覚えているんだ。


其れについてイオクを責める必要も無いだろう。


小さい時の思い出なんて月日が経つにつれて消え薄れて行く。


それ程、ちっぽけなものだから。


どちらかと言えば、あの頃に出会った大切な人達に対する思いは何も変わっちゃいない俺の方がどうかしている。


冷静に考えてみて、そう思った。





「何を期待してたんだ、俺は。」





◆◆◆◆






「…うん、うん、大丈夫だよお疲れ様。」


任務先の探索部隊からの報告を聞いて溜息を吐くコムイにリーバーが訊ねる。


「もしかしてまた最近多いって言うあれっスか?

下見の段階でアクマが全滅してるって言う…。」


「うん…。」


イノセンスがあると疑われる場所に探索部隊を派遣し下見に行かせるが、ここ最近の5件の報告では、『アクマは一体もおらず残っているのは残骸だけ』。


イノセンスは無事保護出来ているが、どうしても引っ掛かってしまう。


兎に角、些細な事でも良い…手掛かりが無いか該当している5件の資料を見る。


派遣するはずだったエクソシストの名前はリナリー、アレン君、神田君、マリ…場所もそれぞれ違うし、関連性は見つからない。


教団に属さないエクソシストの出現か?


否、かなりの腕がなければイノセンスを保護しながら大量に発生するアクマを倒す事なんて出来やし無いだろう。


今の段階じゃ手掛かりも何も無い。


「弱ったな…。」


「まぁイノセンスも無事回収出来ている事ですし、今は様子見って事で良いんじゃないですか?」


「…まぁ、そうだね。

今後の動きを見て情報収集した後分析してみるか。」















NO.03





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