クマくま!
「絶対にやだ!」
「さっさと脱げよ!」
あまりに激しい拒絶に、凌牙はいらだっていた。
もう両手に余るほど身体を重ねて今更だというのに、今日に限って遊馬は急に態度を変えた。
何時もどおりの放課後、自由にカードを買いに行くこともできない遊馬は、凌牙の部屋に転がりこんでいた。
目当てのカードのためにパック買いすればいらないカードが山と積もる。金のない学生としては少しでも現金に換えられるカードがあれば売りに行くものだが、凌牙の部屋にはカードがそのまま保管されていた。
遊馬はそのカードを見に来るのを口実に、いつも部屋に上がってはいたが、健全な青少年が好きな相手と一緒に親のいない家に二人きりでいて、何かおこらないほうがどうかしている。
きらきらとした目でカードを見つめる遊馬の、むき出しの細い首筋に目を奪われた凌牙は、気がつけばベッドに押し倒していた。
抗議の声が上がるのを唇で押さえ、身体を摺り寄せると、低体温気味な凌牙と違い熱いくらいの遊馬の身体から、じんわりと熱が伝わる。
歯列を割り、舌を絡める頃には、遊馬の身体からこわばりが消えている。
そのまま赤いタイを解き、シャツの前をはだけていくと、急に遊馬が待ったをかけたのだ。
「うわあああ!やっぱだめ!今日はダメ!だめな日なの!」
胸元をかき合わせ空いた手でぐいぐい凌牙を押しのけようとする。
お前はどこの乙女だよ。
いらっときた。
危険日があるわけでもあるまいし、男にだめな日はあるまい。
「ここまできてそれを言うのか?!」
凌牙宅にノコノコあがりこんで、何もしなかった事なんて今までないだろう。
「それでも、だめぇー!」
遊馬独特の語尾の上がる叫びは、可愛らしいとは思うが、時と場合による。
ダメダメダメダメ言われると、なんとしてもヤりたくなるのがシャークと呼ばれた男であった。
「なんでダメなんだか言ってみろよ。」
学校で恐れられていた頃のような暗い目で見下ろされて、さすがにばつが悪かったのか、遊馬の目がゆらゆらあたりをさまよう。
どう見てもいい訳を探している目だ。
「なぁ、何でダメなんだ?」
「そ・・・そういう気分じゃないんだよ!」
「へぇ?じゃあそういう気分にさせればいいのか?」
「え?!やっ?!ダメダメ!絶対にダメ!」
「もう、聞かない。」
遊馬の静止を押し切って凌牙は再度唇を重ねた。
その気がないというならその気にさせてやる。
舌の根がしびれるほどにきつく吸い上げ、合わせられた唇から滴った雫を追いかけて唇を頬に滑らせる。
遊馬の弱いところは何度か身体を重ねるうちに把握できている。
たっぷりと唾液を乗せた舌で首から耳の付け根までなめ上げ、耳朶に軽く歯を立てる。それだけで押さえつけたからだがビクリとはねるのが解かった。
「ヤっ!!!今日はイヤだって言ってんだろぉ!」
「もう聞かないって俺は言った。」
「そんなぁ・・・」
軽く絶望感のにじむ声で言われると、逆効果だと忠告したくなる。
もっといじめたくなるのがわからないのだろうか。
「うーっ!やだやだ、触んなよ!」
体重をかけて押さえつければ、遊馬の動きは簡単に封じられる。
真剣に抵抗すれば遊馬のほうが腕力があるかもしれないが、服の上から足の間を揉まれ、唇で弱いところを間断なく刺激されている状況でまともな抵抗ができるはずもない。
「その気になってきたようじゃないか。」
凌牙の手の中で、遊馬の意思に反して硬くなっていくモノ。
「ちっちがう!今日は本当にだめなんだって!」
「もっとはっきり見せて欲しいのか?」
手馴れた調子でズボンのホックをはずすと、遊馬はいよいよ激しく暴れだす。
「いやだー!やめろー!ヤダー!!!」
ココまで叫ばれるともう強姦しているような気分になるが、すでに意地である。
勢いをつけてズボンをずり下ろした。
「・・・・・・くま?」
凌牙がそう呟いて動きを止めると、遊馬の抵抗もぴたりと止んだ。
見下ろす凌牙の目と、今にも泣き出しそうな遊馬の目が合った。
「俺が買ったんじゃねぇの!ねぇちゃんが・・・・・・その上他の洗っちゃったって・・・」
もじもじと足をすり合わせ、何とか凌牙の視界から逃げようとするが、押さえつける力に重力も加わって思うように動けない。
「見んなよぉ・・・」
「はーずかし。お前その年でコレはねえよ。」
「だからやだって言っただろぉー!!!!!!!!!」
今度こそ本当に涙を浮かべた遊馬の絶叫が響いたのだった。
5話にしてパンツ大公開という遊馬。しかしストライプとか味気ないものだけでなく、可愛らしいものも持っていると信じています。
主に姉ちゃんの功績で。
らぶらぶいちゃいちゃだとどうしても本番までいけません。
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