ヒロトの部屋には今、ヒロトとリュウジが居る。
なんでリュウジも居るのか?
それは2人が恋人関係にあるからだ。
2人は特に理由も無く、お互いの部屋をよく訪問しあう。
特にリュウジは頻繁にヒロトの部屋に行っていた。
そして完全に二人きりとなった世界で、2人は甘く時間を過ごすのだ。
かわいい君の自己流おねだり
すると、リュウジがヒロトの服の裾を弱々しく引っ張ってきた。
そしてヒロトををじーっと見つめる。
ヒロトは知っている、これはキスのおねだりだと言う事に。
しかしヒロトはわざとそれに気付かないフリをする。
いつまでたってもキスをしてくれないヒロトにリュウジは落胆し、目を伏せて眉を八の字にした。
そして、寂しそうに掴んでいた服の裾を手放そうとしたその時、
ちゅっ
軽く触れただけのキス。
しかしそれはリュウジの頬を染めるには十分なもので。
一方のヒロトは余裕に満ちた顔で優しく微笑んでいた。
リュウジは改めて、ヒロトには敵わない事を自覚した。