「ハーマイオニー、いきなりですが今日は何の日でしょう?」



ロンがいきなり読書中のハーマイオニーに質問を投げ掛けてきた。
ハーマイオニーは本に視線を落としたまま、本当にいきなりね、と笑った。


「ヒント、僕達に関係あります。」
「私達に?」

いつもは1度読書を始めるとずっと読書に没頭しているハーマイオニーだが、質問に興味を持ったのか、本から視線を離しロンをしっかり見据えた。

吸い込まれるようなその瞳に捕らえられたロンの心臓は、少しドキリと跳ねた。



「そうね。ロンでもないし、ハリーでもない…
もしかして、ジニーの誕生日…とか?」


しかし、ハーマイオニーの解答を聞いた途端、ロンはガクリと肩を落とした。

「違うよ。君、彼氏の妹の誕生日も覚えてないの?」
「そうよね、ジニーじゃないわよね。じゃあ一体誰かしら…」

ハーマイオニーは勉強に打ち込むような姿勢で考え始めた。
読みかけの本を裏返し、机の端に追いやった。

いつも読書中は構ってくれないハーマイオニーが読書をほっぽって自分の質問に真剣に考えてくれている、ロンはそれが嬉しくてたまらなかった。



「フレッドとジョージの誕生日?
いや、そもそもウィーズリー家の人達じゃないかも…
じゃあシェーマス?」

そしてロンはまた肩を落とした。
どうやらハーマイオニーは今日は誰かの誕生日、と言う風に考えているようだ。


「だから、誕生日とかじゃなくって!」
「じゃあ何よ。『魔法界における記念日収録集』には今日の事なんて書いてなかったわ。」

あいわからず君は小難しい本ばっか読んでるんだね、とロンは溜め息を溢す。
一方のハーマイオニーは、そっとミルクティーに手を伸ばした。




「スペシャルヒント、今日の日にちの数字と僕達の名前を比べてみましょう。」


ハーマイオニーはミルクティーをひとくち飲んでマグカップをカチャリと置くと、また考え始めた。

「えーっと、今日は6月8日でしょ?それから私達の名前を…」

うーん、と唸りながら考えるハーマイオニー。
やがてハーマイオニーは答えに辿り着いた。



「もしかして、6がロンの『ろ』で、8がハーマイオニーの『は』って事?」
「そのとうり!」

へら、と笑うロンに対してハーマイオニーは何よそれ、と言いながら端に追いやられた読みかけの本に手を伸ばし、また読書を再開した。


「つまり今日は、僕と君の日なんだよ。」

ロンがそう言ってもハーマイオニーはいつもどうり返事も返さなかった。

だが、頬はほんのり赤く染まっていた。





今日は何の日?

(僕とハーマイオニーの日!)
(はいはい。)







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