最近ハーマイオニーが一段と綺麗になった。
なんか、うまく言えないけど女性っぽくなったってかんじ。
ただ、僕にはちょっと不都合なんだよね。
…ほら、まただ。
僕とハーマイオニーとハリーとで廊下を歩いていると、周りの男子がじろじろとハーマイオニーを見てくる。
それはもう、下心丸見えな汚ならしい目で。
きっとハーマイオニーが綺麗になったからだろう。
「……」
なんでだろう、苛々するんだ。
理由は分かんないけど、ハーマイオニーをそんないやらしい目で見られたく無いって言うか。
ハーマイオニーを好きになってほしく無いって言うか。
強いて言うなら自分のおもちゃを取られたくない、みたいな感じ。
「………」
多分、今僕は不機嫌丸出しなんだと思う。
だってほら、ハーマイオニーを見ていた男子が僕にビビって目を逸らしたし、ハリーも心配そうな顔をしてるし。
とんでもなくしかめっ面なんだろうな。
「…ロン、貴方さっきからずっとしかめっ面よ。何かあったの?」
けど僕にそう聞いたのは、紛れもなくその原因であるハーマイオニーだった。
別に、って愛想悪く返したら少し眉をひそめて、あっそう。って返ってきた。
本当は分かってる。
こんなの、僕の一方的な感情だって。
誰がハーマイオニーを好きになろうが、それは僕がどうこう言うべき事じゃないんだ。
けど、だけど、
苛々して仕方ないんだ…。
それはきっと独占欲 「何が苛々するのよ!」
「えっ?あっ、もしかして今の声に出てた?」