成績の話


デュエルのやり過ぎで学校に呼び出された私たち。出席日数を補うため試験をやることになってしまった。しかも、試験結果が悪かった場合その人にデュエル禁止令が出るとか…。

「あーっ!何で俺たちだけテストやんなきゃいけないんだよ〜」
「仕方ないよ城之内くん。僕たち学校行ってなかったんだから」
「オレ様はテストなんて面倒なことはやらねえ!宿主に任せるぜ」
「えぇっ。君は君でからだがあるんだから、それじゃあただの欠席になっちゃうよ」

城之内と遊戯、バクラと獏良がそれぞれ文句を口にする。試験をやることになったのは遊戯2人にバクラ2人にマリク2人、それに城之内と海馬と名前の計9人。

「なあ、どうせならこの後みんなでテスト勉強しないか?」
「良いね遊戯!でも、どこでやるの?」
「僕、レストランとか人の多いところは苦手だなぁ…」
「みんな、宿主をいたわってやってくれ」
「大人数で勉強出来る部屋を持っている人物と言ったら…」
「「海馬だな」」

満場一致で海馬の家に行くことになった。危うく門前払いを喰らうところだったが、名前のお願いだと言うと家の中に入れてくれた。


「しかしながら大きい家だねぇ。迷っちまいそうだぜぇ」
「ちゃんとついてきてよ。勝手にフラフラしてオブジェとか壊されたらたまったもんじゃない」
「君もだよ。勝手な真似したら千年リングの中に閉じ込めるからね」
「うっ…。分かったぜ。大人しくしてるよ。(たまに怖いんだよな宿主の奴…)」

マリクもバクラも主人格が闇人格の保護者みたいだった。
使用人に案内された部屋に行くと、海馬が既に待っていた。

「何故俺の家に来た。大人数で勉強するのなら図書館でも行けば良いだろう」
「図書館じゃ大声で喋れねぇだろ?」
「勉強するのに大声を出す必要があるのか凡骨」
「和気あいあいと勉強するんだよ!」
「勉強する時くらいお友達ごっこはやめたらどうなんだ」
「ごっこだとぉ!?海馬テメー!」

このままでは勉強が出来ないと思い、名前が声を掛ける。

「あのさ!海馬くん頭良いから、みんなで教えてもらおうと思って来たんだ!一人じゃ分からないこともみんなで力を合わせれば分かるかもしれないって言うか…」
「名前の言う通りだ。海馬、お前だけ天才キャラはズルいぜ!」
「僕なんて、パズル完成させたせいで主役がほぼ奪われたんだからね!」
「僕ももっと出演したかったよ!」
「オレ様は負け試合ばかりでイラつくぜ!」
「僕の名前はナムじゃないんだよ!!」
「俺のバースデイはなぁ、奴が10歳の時…」
「おい、みんな落ちつけよ!」

城之内くんがまともなツッコミをしてくれて良かった。

「仕方が無い。名前が言うのであれば教えてやろう。だが、お前たちの成績が分からない上ではどう教えればいいのか分からん。お前たちはどの程度の学力を持っているのだ?」
「僕はこの前のテストで学年4位だったよ。1位の海馬君にはなかなか勝てないなあ」
「宿主は体育以外の成績は優秀だからなぁ。オレは体育以外出来ないけどなヒャーッハッハッハ!!」
「相棒は普通だよな。中の中か中の上ってところか」
「そうだね。もう一人のボクは凡ミスが多いから、結局僕と同じくらいの成績だし」
「ゲリラ豪雨を“ゴリラ豪雨”って書いた回答には、めちゃくちゃ笑ったな〜!」
「城之内くん!恥ずかしいから言わないでくれ!!」
「遊戯もそう書いたの!?実は私も、ゲリラって分かってたのに何故かゴリラって書いてたんだよね〜」
「お前たち3人は同じくらいの成績だってことだな!」
「そういう城之内は下の下だろうな」

爆笑していた城之内に、海馬は鋭く言い張った。

「あぁ!?下の下とは失礼だな!中の下くらいはたまにいくんだぞ!」
「その“たまに”がどのくらいの確率なのか分からんがな」
「チッ。今回のテストで100点取ってやるから見てろ!」
「凡骨らしい無謀な挑戦だな。せいぜい頑張るがいい」
「オレの主人格サマは頭良いぜぇ。努力家だからちゃんと勉強してるしなぁ。」
「君も何だかんだ出来てたりするよな。バトルシティでの城之内とのデュエルでクイズが出された時、墓地にあるカードを振り返ってきちんと考えていたし。どこかでは6歳児とか言われてお馬鹿キャラになってるけど、結構ちゃんとしてるよ」

互いの実力を認めているマリクたち。何だかんだ仲良いんだよな、この二人。

「なるほどな。お前たちの成績はだいたい把握した。だが、俺が全員に教える必要はなかろう。勉強の出来る奴が俺以外にも居るようだからな」
「確かに」
「しかし、名前には特別に1対1で教えてやろう。別の部屋へ行くぞ」
「えっ!?」
「待てよ海馬!そうやっていいとこ取りしようってんだろ!」
「名前は俺たちと仲良く勉強したいって言ってるぜ」

城之内と遊戯が慌てて反対する。

「ふぅん。ならばデュエルで決着をつけようではないか!」
「受けて立つぜ!勝った奴が名前と勉強することが出来るってわけだな!行くぜ相棒!」
「うん!」
「俺も参加するぜ!」

「ちょっと!今勉強するんじゃないの!?」

「名前ちゃん、僕もこのデュエルに参加してくるね。決着がつくまで待ってて」
「仕方ねぇなぁ。オレ様も参加してやるぜ!」
「だったら僕もこの流れに乗って参加するよ!」
「俺も勉強よりはデュエルが好きだからねぇ…。さぁ、始めるぜ!」

「ちょっとみんな〜〜〜」


ふと時計を見ると、名前の門限の時間まであと少しに迫っていた。

「あっ!ごめん!私、そろそろ時間だから先に帰るね!テスト頑張ろう!!」
「「おい、名前!!」」

そう言うと、名前は小走りで帰っていった。

・・・・・

「あーっ、じゃあ俺もそろそろ帰るかな〜」
「相棒、俺たちも帰ろうぜ」
「うん。海馬くん、お邪魔しました〜」
「さっ、デュエルより君のテストの方が心配だからね。帰って勉強するよ」
「御手柔らかに頼むぜ、宿主ぃ〜」
「僕たちも夕飯の準備をしなきゃね」
「今日の晩飯はコシャリかねぇ?楽しみ楽しみ…」
「フン。俺も貴様らと話している暇などない。せいぜいデュエル禁止にならぬよう気をつけるんだな!」


その後、みんな試験に合格したようでまたデュエルの日々が再開した。このペースだと毎回追試験をやることになりそうだと思うのは私だけなのだろうか。
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