2013/04/21 05:05
死因:うっかり箱がなだれて生き埋め。【転生ネタ(ネウロ)】






ある日、家に帰ったら

皆『箱』になっていました。

―――あーあ、やっちまったよ。






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『・・・ あの・・・やっぱいいです・・・すいません ・・・・』

「え?おい、」




ぷち、と突然携帯が切られた。

・・・弥子ちゃんも探偵業なんざやってるん だから、学業も大変なんだろーな。まだまだ子供なんだから遠慮しなくていいってのに・・・。
(というかこれに懲りて探偵なんて危ない仕事しなくなった方がいいんだが)(・・・あの胡散臭い助手がいる限り無理そうかな。)




「ま、何とかなるか・・・。

あー。やっぱタバコ美味ぇわ・・・けふっ」

「せんぱいいいいい血ィ流してるんスから平気な顔してタバコ吸い続けないで下さいぃぃぃ!!!!」



死なないでぇぇぇと喚きながら揺さぶってくる後輩に、紫煙混じりのため息を吐いた。
(息と一緒に血も一緒に出た。)(サイにやられて砕けた肋骨が肺引っ掻いてるらしいんだよね。)(・・・だばっと出てないから何とかなるだろ。うん。)



「あーもう、慌てふためいて泣くなって・・ ・。」

「だって先輩が死にそうだからじゃないっす か!!先輩だけはこの手で守るって決めてたのに! !」

「・・・死んでないから平気だって。つかお前逃げたよなあの時。俺放っぽって。」

「せ、先輩やっぱり根に持って・・・さっき俺のプラモ壊したのも・・・!!」

「んや、あれは単にウザイから。」




つか、プラモにりんご突き刺すな危ないから。しかも鋭利なものを人に向けて「あーん」なんてさせんな。

石垣君とコンビ組んで結構経つけどさ、この子本当に大丈夫か?って思うほど弱い。
弱いっていうか、軟弱? アホの子可愛いっていうだけじゃ警察、しかも捜査一課なんて生きてけないって思うんだけど。

瀕死の重傷?程度(世間一般的にとってはだと思うが)でこんなに慌てるなんて・・・俺が死んだらどうなんだか。と思うと、もう一度深い溜め息を吐かざるを得なかった。 (あ、今度はだばばっと吐いた。)



"笹塚衛士”は死ぬ事が決まっている人間だってのに。






「ま、逆にお前が下手に抵抗しなくて逃げてくれてよかったよ。作戦も説明していなかったんだし。

例え逃げても無駄に死ななかっただけで・・ ・ 充分にありがたいんだ。心配するな。」

「・・・先輩・・・」

「(・・・そんな目で見るなっつの。)」




お前は、生きる側の人間なんだから。
死なせる訳にはいかないんだって、それだけなんだから。
そんな風に感動とか、されるような人間じゃないんだよ、俺は。―――扱い辛い奴。

ま、今回は必要だったからわざと原作に沿ってこうして病院送りにされてやったけど。
最期の最期くらいは一矢報いてやるつもりだから。
せいぜい待ってろ、シックス。




「ほら泣くな、男だろーが」

「ぐすっ・・・」

「あー、しっかりしろよ、って、あ。」

「笹塚君・・・。 タバコとケータイ没収ね。 あと、今からもっぺん手術。」

「あー・・・流石に何とかならなかったか・ ・・りょうか、い、げほっ。」

「先輩ぃぃぃぃ!!!!」




口に咥えてたタバコをブラックジャックっぽい先生に没収されて、泣きっぱなしの石垣に見送られながら集中治療室へ運ばれた。

・・・まぁ、余生を楽しもうか。





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入院の話。骨ばっきばきなう。