依存、そして愛について


ルシフェルの指先が俺の胸元を撫で、紅い瞳はしっとりと上目遣いに見上げてくる。
あからさまな誘いに応じてその細い体を抱き締めてから口付けると、含んだような笑い声と共に唇を舌で舐められた。

久しぶりに彼に触れる気がする。

自分がもっと要領よく仕事をこなせれば時間も増えるのだろうが、残念ながら今はまだ慣れるのがやっと、と言う段階だ。
「貴方にこうして会える時間が少ないのが、何より口惜しい。」
未来のものだと言う衣服の釦を外して、絹のように滑らかな肌を掌で堪能する。

ルシフェルは時間は幾らでもあるなどと言うが、人の身である俺にとって時間とは求めても手に入らない有限のものであるという認識が強いので、この一秒一秒が短くて、永い。
「直ぐに慣れるさ。そうしたら、もっと一緒に居られる。」
薄い唇は甘く、舌を絡めると濡れた舌が生き物のように蠢いて情欲を煽った。
恐ろしい程の誘惑。

これ以上彼に浸かってしまえば、きっと身動きが取れなくなる。
けれど、それもまた幸福なのであろう事は容易に想像がつくから。


願わくば、彼も俺に溺れて抜け出せなくなりますよう。