詰めていた息を深く吐き出してぐったりと力を抜いたドラルクとは対照的に、その背後から覆い被さっているロナルドは、ドラルクの身体を撫でたり首筋に顔を埋めたりしてそわそわと落ち着かない。何か言うのすら億劫だったので好きにさせてはいたが、一度出したのだから賢者タイムに突入しても良いんじゃないかとぼんやり考えていると、耳元で信じられない台詞が聞こえた。
「な、もう一回。」
「は?」
一瞬何を言われたのか理解に苦しみ思わず振り返りかけたが、未だロナルドが胎の中に居座ったままな上、不恰好な蟹股の体制で押し潰されているので、身体どころか首を動かす事すら出来なかった。
ロナルドはドラルクの両手に自分の両手を重ねると、そのまま腰だけを押し付けて小さく揺する。
激しい動きでは無かったものの、ぐっしょりと濡れた肉の弱い部分を硬く復活した先端でカリカリ引っ掻かれると、つい反射的に締め付けてしまった。
「ドラルク。頼む。」
ついさっき達したばかりにも関わらず、ロナルドの声色は既に切羽詰まったものになっていた。真後ろにある顔は見えないが、きっと瞳は潤み、あの神の無駄遣いとしか思えない美貌は蕩けているのだろう。その顔を想像したら、もうドラルクの負けだった。
力を無くしていた筈のものがシーツに擦れるのでその刺激から逃げようと腰を引くと、今度は薄い尻の肉が抉じ開けられて胎を埋めているものが奥深くまで捻じ込まれる。
何処にも逃げ場が無くなって、逃亡どころかまるで強請るような真似をしてしまった。それを了承と受け取ったらしく、ロナルドの動きも大胆なものになっていく。
「っ、ふぅ。」
死なないようにするのが精一杯で、枕を噛んで快感をやり過ごしながらも、次は顔を見たいと、ちゃんと伝えなければと思った。

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