犬と猫


「お前は犬のようだな。」と楽しそうに言う貴方は、猫のようだ。
しなやかで、気紛れで、愛らしい。
細い腕で俺の髪を、愛を弄ぶ様は、本当にじゃれつく猫のよう。

うっかりとその事を口走ると、「猫は犬より頭が良いんだぞ。」なんて、否定ではない答え。

「扉を開ける猫はよく聞く話だろう。素晴らしいと思わないか?自分の力で未来を開くようじゃないか。」

自信満々に言う貴方は、果たして気付いているのだろうか。
猫が開いた扉を閉めるのは人だと言う事に。