BLにありがちな関係が周囲にバレて引き離されそうになるやつ(タイトル)


男でも星晶獣でもなんなら人型をしていなくたって良いけどベリアルだけはない。団員の皆は満場一致でそうグランを説得したし、グラン自身、ピロートークの最中に恋人が「触手持ちのモンスターとヤった時は凄かった。」などとほざいた時は何で俺こいつの事好きなんだろうかとちょっと我に返ったりもした。

魅了にでもかかっているとしか考えららないと、青白い顔をしたサンダルフォンが山ほどのエリクシールを両手に抱え、更に弱体解除の類を使える人間が次々とグランの前に立ち並んであらん限りの手を打ったが、生憎とグランは特殊な能力の仕業でも何でもなく単純にベリアルの顔と身体が好きなのでその努力は全て水泡に帰してしまった。
そんな空気の中、流石のグランもそう言うんじゃなくて単純にベリアルの顔と身体が好きですなどと言い出すのは憚られ、これどうやって収集つけよう

「まさか団長、私達に言えないような特殊な性癖が…。」
「コイツくらいしか相手出来ない特殊な性癖って何だよ!?」
「でも、魅了じゃなくて本当にベリアルが好きなんだとしたら、そうとしか考えられない…。」
真っ青を通り越して真っ白になってしまった顔を見合わせて団員たちがぼそぼそひそひそと囁きはじめ、グランサイファーの中はまるで葬式のような重い空気に包まれた。
それに慌てたのはグランである。流石にそんな特殊な性癖の持ち主だとは思われなくないと、気付けば思わず叫んでいた。
「ベリアルの好きになれる所とか顔と身体ぐらいしか無くない!?」
ああそうだ、結局は見た目だ。けれど毎夜毎夜とんでもないプレイに勤しんでいると思われるよりはよほどマシだと腹を括る。
罵られるならばそれも致し方ないと覚悟をしたが、皆はその言葉に何故か光明を得たような顔つきになりじわじわとグランににじり寄った。
「顔や身体なら俺が…。」
「団長が満足するなら…。」
「女じゃ駄目…?」
そんな事を言いながら顔と身体に自信のあるグッドルッキング団員達が次々とグランを囲み、その腕や身体に触れて分かりやすいハーレムのような絵面が形成される。考えてもいなかったその反応に、グランは思わず助けを求めるような視線で周囲を見回した。

「俺は何Pでも構わないぜ?」
するとその様子をずっと隣で見ていたベリアルは元気いっぱいに卑猥なハンドサインを見せつけてきたので、やっぱり本当に何でよりによってこいつなんか好きなんだろうとグランは再度頭を抱える羽目になった。

Back