ポジショニング争いをする話なので結論はロナドラだけど逆の要素もかなりと言うか限りなくリバに近い


すったもんだの末にオツキアイなどというものをする事になった二人はまぁそれなりに上手くやっていた。
元々同居生活に文句はあれど不満は無かったロナルドも、趣味に馬鹿騒ぎにと面白おかしく暮らしていたドラルクも、側から見れば今までと何も変わらないようだったが彼らの中では少しずつ気持ちが変化していたらしい。
ジョンや床下のヒナイチの目を盗むようにしてこそこそと手を繋いだり、時には唇を合わせたりと、まるで中学生の恋愛のような拙さではあったが、お互いのペースでゆっくりと愛を育んでいた。

順調だったのだ。思春期の学生のような触れ合いの内は。


「ヤダヤダヤダ私が下とか無理に決まってるでしょ死ぬよ?一晩に何度だって死ぬよ!?」
「ふっざけんなお前そこは気合いでどうにかしろ愛がありゃ出来んだろ!!」

尻にそんな負担をかければ百割の確率で死ぬ事は目に見えている。ドラルクはそう主張して激しく抵抗したが、だが突っ込んでいる状態で死んでしまったらそっちの方が最悪だとロナルドだって譲らなかった。
だが物理的な力さえ無効にしてしまえば口喧嘩は流石に一日の長があるドラルクに軍配が上がる。五歳児を丸め込むなど造作も無く、あの手この手で懐柔していく内に、に最初はロナルドが受け身に回るという事で話しは纏まりかけていた。
しかしそこは詰めが甘い事で有名なクソ雑魚吸血鬼である。

「大丈夫だよ前に処女抱いた事あるけど死ななかったし!」
ドラルクが非童貞であり、しかも処女喰いなど。やらかしたと言う衝撃の事実が発覚した事によって事態は一変した。
ロナルドが「俺だって童貞を捨てたい。」と駄々っ子モードを発動させ、肉体言語も問わないと開き直ってしまえばドラルクに勝ち目は無い。

「大丈夫だって多分いけっから!」
ムードもへったくれもありはしないが、それはそれ、やる気に満ちたテンションと言い争いの興奮は最早最高潮に達している。
強引にベッドに押し倒すと、勢いのままにむちゅりと稚拙な口づけをしてから真っ赤になって吐き捨てた。
「覚悟してろよ。」

その顔が、あんまりにも綺麗だったので。

「……ハイ。」
視線を逸らした方が負けと言うのは犬であったか猫であったか。そんな獣じみたルールに則るのも癪だが、このケダモノには勝てそうになかったので。

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