グランくんが総攻め主人公やっててベ…さんがバージンなアース
例によって参入祈願


仲間になってからのベリアルは、意外にも気の良い兄さんといった風体であっさりと団に順応した。
敵対相手が仲間になる事は少なくなかったため、あの衝撃の邂逅に出くわさなかったメンバーがすんなりと受け入れる事が出来たのも大きいだろう。
少々冗談が過ぎるきらいはあるが、予想していた風紀の乱れは殆ど無く、強いて言えば散々にからかわれたサンダルフォンの脳の血管が切れそうになっていたくらいしか被害らしい被害は見られなかった。


「なんとなく分かった気がする。」
ビィとカタリナのいつもの追いかけっこに混ざって遊んでいる姿を見て、カードゲームの手を止めると思わず呟いた。

「何でだ!俺の擬態は完璧だったはずだ!!」
負けが込んでいるウェルダーがその発言に反応してがばりと顔を上げたので、ああもしかしてまたジョーカーは彼の手にあるのかと余計な事に気付いてしまった。
それを申し訳ないと思いながらもそっちじゃなくてと軽く笑って顎でベリアルを示すと、ニヤニヤと悪い顔をしていたラカムが一転真面目な表情になり、言ってみろよと促されたのでそのまま言葉を続けた。

「カードゲームでイカサマするんだけど、勝つためって言うよりはバレる事を楽しんでる感じ?その後の相手の反応含めて。」
要するに構ってちゃんなんだろうな、と些か強引に結論付けると、不要になった手札を捨てた。あと一枚で上がりだ。
「構ってちゃんであそこまで暴れられちゃあ世話ないぞ。」
ラカムの言い分も最もだが、すぐに絆されるのが自分の短所でもあり長所でもある。そう悪い奴でもないんじゃないと言えば、仕方ないなと苦笑した後くしゃりと頭を撫でられた。
その間にも、ウェルダーの顔色はどんどん悪くなっていた。


***


「特異点〜、今日こそオレとソドミーしてくれよ。」
いつ何が起こっても即座に対応出来るよう、団長室の扉に鍵はかけていない。
例えベリアルがノックもせずに入室し、舌舐めずりをしながら性交の誘いをかけてきたとしてもその制度を崩す事はないだろう。

「良いよ。」
ソファー代わりにしていたベッドの上から少しずれると、一人分のスペースを空けるとその空いた場所をぽんぽんと叩いて着席を促した。
しかし直ぐにでもやって来ると思ったベリアルはドアを開けた格好のままでその場に固まっており、不思議に思って名前を呼ぶとようやく一言反応を見せた。

「は?」

いや「は?」ってなんだ。
不審感を前面に出しつつも近寄ってきたベリアルは「良いのか?」と改まって尋ねてきたが、その顔には明らかに困惑が浮かんでいる。そっちが言い出した事じゃないかと首を傾げて続く言葉を待っていると、もしかしてと前置きをして恐る恐る尋ねてきた。
「特異点は…童貞じゃないのか。」
「え、ああ何、初めてだと思ってたの?悪いけど童貞じゃないし男とも経験あるよ。」
年齢を差し引いても童顔である自覚はあるが、これで何年も騎空団の団長をやっている身だ。生も性も人並み、いや多少は同年代の人間よりも経験している。流石にルリアにはその辺りは伏せているが、他の団員で俺が童貞だと思っている奴なんていないと思う。

押し倒してズボンを脱がせると、今度こそ明らかにぎょっとした顔で静止をかけてきた。
初物食いが好きって言う人は時々見かけるが、まさかベリアルもそうなのだろうか。だとしたら残念ながら期待には応えられない。
ああ、それとも抱かれるよりも抱く方を希望だったのだろうか。でもベリアルに男役をさせると変なプレイされそうだからこのまま押し切らせて貰おう。

「んっ、あ。」
剃っているのかそれとも元々なのか、ベリアルの股間はつるりとして毛の一本も生えておらず、まるで子供のように無垢な色をしていた。
何に怯えているのか縮こまってしまったそれを握ってふにふにと揉んでいると、腕を掴まれて小さく抵抗される。
「ちょっと待て特異点。」
「やだね。」
空いていた方の手でベッドサイドを探ると、前に指先の手入れにとロゼッタから貰った香油が見つかった。それを引っ掴むと無遠慮に彼の下肢にぶちまけ、その冷たさに怯んだ隙に脚の間を膝で割って無理矢理身体をねじ込んだ。
腰が引けた反動で突き出すような形になった胸は、実は初めて見た時からむっちりと張って美味そうだなと思っていたので、ここぞとばかりに薄いシャツの上から吸い付いた。
次第にベリアルの抵抗も弱々しいものになり、強張っていた身体から力が抜ける。
ペニスを扱いていた手を止めて後孔の縁を優しくなぞると、期待するようにヒクヒクと収縮していたので滴り落ちる香油の助けを借りて指を埋めた。てっきり、もっと慣れて柔らかいものだとばかり思っていたその場所は異物を拒むかのように抵抗してきて、たった一本指を動かすのにも妙に苦労した。

ようようその狭い穴を解すと、腿を掴んで脚を開かせ、そのまま一息に腰を進める。
「んっ!ひ!」
「ベリアル、ちょっと、キツい。」
食い千切られそうな締め付けに思わずそう苦情を漏らすと、てっきり何か言い返してくるかと思ったベリアルは、文句どころか顔を真っ赤にして目に涙を浮かべながら申し訳なさそうに謝罪してきた。
「っ、あ、悪い…。」
ぎゅうぎゅうと搾り取ってくる内壁は彼の呼吸に合わせてうねり、妙にしおらしいその様子も相まって俺はあっという間に昂ぶってしまった。
これではいけないと挿入してから触れる事の無かったベリアルの性器を握り、鈴口を中心に責めてなんとか同時に達する事が出来た。荒い息を吐きながら倒れ込むと、俺の下で同じように呼吸を整えていたベリアルが衝撃的な言葉を発した。

「セックスって凄いんだな…。」


「……は?」

いや、何だその、いや待ってくれそれじゃあまるで。
「お前初めてだったのか。」
「初めてだ。…いや当たり前だろ、誰かと無防備に裸の付き合いが出来るような生き方なんかしてないぞ。」
当たり前のような顔でそんな真っ当な事を言われてしまうと、それ以上言葉が出てこず間抜けに口を開閉する。
いや、だってあれだけ姦淫だなんだと言っていた奴が処女だなんて誰が想像しただろうか。

「こんな事許すのはお前にだけだよ。観念するんだな、団長さん。」

ニヤリと笑って触れた唇は柔らかく、それだけでまた元気になってしまいそうな自分の現金さに少し呆れた。

Back