「…さっさと帰ってくんない?」
グランは普段の穏やかな青年の姿からは考えられない程の乱雑さで、苛つきを隠しもせずそう告げたが、言われた方のベリアルの方はどこ吹く風で、いそいそとグランの下着に手をかけてまだ柔らかな一物に口付けた。
一日と置かず寝室に来られては睡眠時間の確保すらままならないが、かと言って力づくでどうこうする事が出来ないのはこれまでの経験から学んでおり、相手をするだけ時間の無駄だと、深く息を吐くと結局諦めて身を任せた。
本当ならば無視してさっさと眠ることが出来れば一番良いのだが、流石に性器をしゃぶられながらでは睡魔も遠のき、快感と不快感の狭間でゆらゆらと揺れながら暫くこの下品な天司の好きにさせていた。

ベリアルは暫く目的のモノを吸ったり舐めたりと弄り回していたが、頬の肉で擦っても一向に大きくならないそれから漸く口を離すと、自分のズボンを脱ぎ捨ててグランの上に跨った。
「つれないな。いや、そこが特異点の良いところなのか?まぁ良い、搾り取ってやるよ。」
何とか半勃ちの状態にまでは漕ぎ着けたので、そのまま背面騎乗の格好で無理やり繋がった。しかし何とか挿入は出来たものの、やはり硬度が中途半端だと上手く動けないのか、軽く腰を揺すっただけで抜けそうになってしまう状況にベリアルは不貞腐れた。
「もっと頑張って大きくしてくれよ、こんな短小じゃ楽しめないじゃないか。」
流石にこの物言いにはされるがままだったグランもカチンときて、目の前で揺れる尻を平手で叩くと鼻を鳴らして吐き捨てた。

「お前の尻が緩いんだけなんじゃないの。」
どうせ咥えまくってガバガバなんだろと続ければ、顔こそ見えなかったが明らかに喜んだ気配を察知した。嬉しそうに身体を震わせて一人で勝手に絶頂を迎えたので、これでやっと解放されると小さく安堵する。
此方が嫌がれば嫌がる程に興奮するようで、今日こうやって罵ってしまったからにはきっと明日も来るんだろうなと頭の痛くなる予感がしたが、それでもグランは毒づくのは止められなかった。

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