ぢゅぷぢゅぷと下品な水音を立てながら俺の股間に顔を埋めているベリアルの髪をぐしゃりと掴んだ。
彼は俺のその反応が楽しかったのか、喉の奥まで咥え込んだモノを頬を窄めてずるずると吸い上げながら、器用に舌でねっとりと舐り上目使いににやりと笑う。

「っ、う。」
赤い瞳に射抜かれたような心地になって、背筋をぞくぞくとしたものが駆け上がる。睾丸にぎゅっと力が入って腰が跳ね、その衝撃で喉を突くような形になってしまったが、ベリアルは苦しむような素振りを見せるどころか嬉しそうに目許を緩ませ、塞がれたままの喉を鳴らして出されたものを飲み込んだ。


その姿があまりにも、あまりにも。


***


「ソドミーと洒落込もうじゃないか。」
右手で作った輪の中に左手の指を出し入れする卑猥なハンドサインと共にそうアピールされたのはベリアルがこの騎空団に入団してから僅か五分後の事だった。
一日とは言わないからせめて夜まで待てないのかと思わず顔を覆ったが、そんな話が通じる相手でもなくべたべたと纏わり付かれて何ならそのまま股間を揉みしだかれた。
ルリアの半径五メートル以内に立ち入ることの無いように全団員には通達されているが、生憎とそのルールは俺には適用されないので他の皆は困惑やら怒りやらを綯交ぜにしたような表情をしつつも(約一名程嬉しそうな顔をしていたハーヴィンが居たがあれは気にしてはいけない)黙ってこちらの様子を伺っていたので、彼らを安心させるように小さく頷くと「ちょっと話し合おう」と声を掛けてベリアルの腕を引き、自分の部屋へと連れ込んだ。

結果としてはこの変態の申し出を引き受ける事となってしまったので、心配してくれた団員達には本当に申し訳ないと思っている。
だが、これにだって勿論理由がある。対象を自分だけに限定すると確約させたので、他のメンバーの身の安全は確保された。
それから、これは引き受けた理由と言うよりは引き受ける事が出来た理由と言った方が正しいのだが


この男、とにかく顔が良いのだ。

白い肌を紅潮させ、意思の強そうな眉を切なげに寄せてくちゃくちゃと口内に残った精液を弄んだかと思うと、唇を開いて舌の上に乗る白濁を飲み込むその一部始終を見せ付けてから尿道の残滓まで吸い出した。

「はぁ…ご馳走さま
感極まったような吐息混じりの声色は甘く、一つしか留まっていないボタンを外すと、尖った乳首を自分の指で押し潰し、臍につきそうな程に勃ち上がった性器をこちらの腹に擦って喘ぎながら腰を振り始めた。
擦れ合う刺激でこちらのモノも今しがた達したばかりだというのに再び熱を持ち、彼の零した先走りで濡らされるとあっという間に臨戦態勢に復活した。
「そうそう、素直が一番だ。」

碌に抵抗も出来ないままベッドに押し倒されると、しなやかな太腿が腹を跨いだ。
天司というものがそう出来ている…とは考えにくいので恐らく彼特有のものだろうとは思うのだが、ベリアルの後孔はまるで女性器のように柔らかく濡れそぼっており、慣らさずとも少し押し込んだだけで簡単に挿入出来てしまった。
「っはああ、良いぞそのままもっと犯してくれ
これだけの美形とセックス出来るなんて普通ならご褒美だと思うのだが、ギリギリで作業、人によっては苦行にすら感じられるのは、間違いなくこの言動の所為だ。
顔が良くなかったら幾ら義務感に駆られたとしても自分だって無理だったが、この顔が本当に駄目だった。
此方を見透かすような目もくっきりと縁取られた睫毛も笑うのがよく似合う少し大きめの口も。彼を形作るその一つ一つは、あまりにも美しすぎる。

「あっイイ
悦い場所に当たるよう好き勝手に動かれ
腰を進めればどこまでも呑み込むように媚肉が誘い込み、反対に引けば逃がさないとばかりに絡み付く。感じ入って蕩けた顔で煩い程に喘ぐ声は脳内で反響しずっと耳に残っていた。
突き出された胸の先端は先ほど弄っていたからか赤く腫れていて、せがまれるままに口に含むとコリコリと硬くしこっていたので、少し強めに噛み付くと高い声を上げて達した。


本当に、彼の性格が最低で良かった。この顔と身体に籠絡されてしまわないよう最後の一歩を踏み出さずに済むから。


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