たぶん、その他のゴミ

こんなもの、と言って凛は手にしていた写真を握り潰すと、ぐしゃぐしゃになったそれを更に見せ付けるように破いてからその場を後にした。
四人で最後に泳いだリレー。トロフィーを握り締めた笑顔の思い出を躊躇い無く破り捨てられたことがショックで、真琴の瞳にはみるみると水の膜が張られていく。


「…凛ちゃん、変わったね。」
困ったように呟いたのは渚で、その間、遙の視線はずっと打ち捨てられた写真の残骸に釘付けだった。

ヒュウ、と音がして、一陣の風が吹く。
それに乗って切れ端が舞い上がりそうになったのを、捕まえたのは意外にも遙の腕だった。
写真だったものを全て集めると、一つ一つ丁寧に、愛しげに撫でていく。

「…ハル。」
「ぐしゃぐしゃになっても、真琴は可愛い。」

何を言っているのだろうと渚は思ったが、その言葉が切っ掛けになったようで、結局真琴は泣き出した。


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